災害時に最も多く寄せられる困りごとの一つが
「トイレが使えない」問題。
地震・豪雨・台風・断水・停電では、
家のトイレが 数時間〜数日間 使用不能になることが珍しくありません。
実際の被災地では
「簡易トイレがなかったことが一番つらかった」
という声が非常に多く、
家庭防災で最優先クラスの必須アイテムです。
防災士として、必要数・選び方・使い方を1400字で解説します。
■ 結論:1人あたり“1日5回×3日分=15回分”が最低ライン
災害時の排泄回数は通常と変わりません。
家族4人なら、
- 15回 × 4人 = 60回分
これが最低備蓄量です。
さらに、
- 1週間分
- 高齢者・子どもの多い家庭
- 冬場(トイレ回数が増える)
こうした条件では 100回分以上 の備蓄が理想です。
■ なぜ簡易トイレが“災害で最重要”なのか
① 断水でトイレが流せなくなる
大規模停電では水道ポンプも止まり、
「タンクが空で流れない」「下水が逆流する」という事態が起きます。
② 水が使えないと衛生が崩壊
排泄物の放置は悪臭・感染リスクにつながる。
③ 避難所のトイレは常に混雑・長蛇の列
プライバシーも確保しにくく、子どもや女性には特に負担。
④ 高齢者・子どもは特に影響大
トイレ問題は精神的ダメージも大きい。
⑤ 最初に枯渇する支援物資の一つ
実際の災害でも“トイレ用品の不足”は毎回発生します。
■ 防災士が推奨する“選び方”
● 凝固剤タイプ(最も使いやすい)
排泄物にふりかけるだけで固まるタイプ。
初心者でも確実に使える。
● 防臭袋(BOSレベル)必須
排泄物のニオイは避難生活で最大級のストレス。
BOS袋のような防臭力のある袋を必ず用意。
● 洋式便座にかぶせられる袋タイプ
自宅トイレにセットして使えるので最も自然。
● 大人用・子ども用兼用タイプ
家族構成に合わせて選ぶと安心。
■ 実用的な使い方
● 1. 洋式便座に袋をセット
内袋→外袋(二重構造)が基本。
● 2. 用を足したら凝固剤をふりかける
30秒〜1分で固まる。
● 3. 防臭袋に入れてしっかり縛る
トイレ1回分につき、防臭袋1枚がベスト。
● 4. ゴミの日まで保管
災害ごみとして、後日処理できる。
■ 簡易トイレと一緒に備えるべきもの
- 45Lゴミ袋(大量必須)
- 防臭袋(BOS)
- ティッシュ・トイレットペーパー
- 使い捨て手袋
- アルコールウェットティッシュ
- 段ボール(簡易個室に使える)
このセットがあると“どんな断水でも乗り切れるトイレ環境”が完成します。
■ トイレ問題は“災害時の最大ストレス”
被災地では本当に多くの声があります。
- トイレが使えず外に行くのが怖かった
- 子どもが我慢して体調を崩した
- 夜中のトイレ移動が危険だった
- ニオイと衛生問題で避難所が地獄のようだった
- 気持ち悪さで食事がとれなかった
トイレが整うだけで、避難生活の質は大幅に向上します。
■ 保管場所は“トイレ内+避難バッグ”
最も使う場所に置くことが重要。
- 家のトイレ下収納
- 洗面所
- 非常持ち出し袋
- 車の防災キット
トイレ問題は“待ったなし”で始まるため、即使える状態に。
■ まとめ|簡易トイレは“家庭防災の最優先”
- 1人15回分 × 家族人数が最低ライン
- 防臭袋・凝固剤・45L袋の3点セットが最強
- トイレ問題はメンタル・衛生・生活全てに影響
- トイレ内+避難バッグに必ず常備
災害時、家族を守るのは“トイレの備え”です。
最初に揃えるべき防災用品と言っても過言ではありません。

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