「日本は人口が多い国だ」
そう思っている人は多いのではないでしょうか。
では実際、日本の人口は世界でどの位置にあるのでしょうか。
そして、それは防災とどう関係するのでしょうか。
今回は、世界比較から日本の人口を見つめ直し、防災の視点で考えます。
■① 日本の人口は世界で何位?
日本の人口は約1億2,000万人。
世界の中ではおよそ11位前後に位置します。
上位には
・インド
・中国
・アメリカ
・インドネシア
などが並びます。
面積で見れば世界60位前後。
しかし人口ではトップクラス。
つまり、日本は
“面積の割に人口が多い国” なのです。
■② 人口密度という本当の指標
防災で重要なのは「人口の多さ」よりも「人口密度」です。
日本の人口密度は約330人/平方キロメートル。
これは世界的に見ても高水準です。
さらに都市部では、
1平方キロメートルに1万人以上が暮らす地域もあります。
災害時に何が起きるか。
・道路が一瞬で混雑
・避難所がすぐ満員
・救急が到達できない
人口密度は、被害の“拡大速度”に直結します。
■③ 世界的には「少ない」国になる未来
一方で、日本は急速な人口減少社会に入っています。
将来的には1億人を下回る見込みもあります。
つまり、
今は「多い国」でも、
将来は「少ない国」になる可能性が高い。
しかしここに、防災上の別の課題があります。
■④ 少子高齢化が生む防災リスク
人口が減ること自体よりも問題なのは、
“高齢化”です。
高齢者割合が増えると、
・避難に時間がかかる
・支援が必要な人が増える
・共助の担い手が減る
という構造になります。
現場では、
「若い世代が足りない」
という声を何度も聞いてきました。
■⑤ 防災士として現場で感じる“誤解”
「人口が減るなら災害リスクも減る」
そう考える人もいます。
しかし実際は逆です。
人口が減る=インフラ維持が難しくなる。
消防団員も減る。
地域の目も減る。
防災力は、人口数だけでは決まりません。
“支える人の割合”が重要なのです。
■⑥ 自律型避難がより重要になる理由
人口が多い都市では、
公助はすぐに限界に達します。
人口が少ない地域では、
支援が届くまで時間がかかります。
どちらにしても必要なのは、
自律型避難 です。
・自分で判断する
・早めに動く
・家族単位で完結できる備えを持つ
人口構造の変化は、
「待つ防災」から「動く防災」への転換を求めています。
■⑦ 多いことは弱点か、強みか
人口が多いことはリスクでもありますが、
強みでもあります。
近くに人がいる。
助け合える。
声をかけられる。
共助が機能すれば、
人口は防災力になります。
都市でも地方でも、
“つながり”が鍵です。
■⑧ 今日できる視点の確認
・自分の地域は人口密度が高いか
・高齢者割合はどれくらいか
・支援が必要な人を把握しているか
人口は数字ですが、
防災は“関係性”です。
統計を見るだけでなく、
自分の生活圏を見ることが重要です。
■まとめ|人口の多さより、構造を見よ
日本は世界で見れば人口上位国。
しかし面積とのバランスでは“密集国家”です。
さらに少子高齢化という構造変化が進行中です。
結論:
日本の防災リスクは「人口の多さ」ではなく「人口構造」にある。
防災士として現場で感じるのは、
災害は数字ではなく“人”に直撃するということ。
人口統計を知ることは、
地域の弱点を知ること。
備えは、
地域の構造を知るところから始まります。
■出典
総務省統計局「人口推計」
https://www.stat.go.jp

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