【防災士が解説】“天ぷら油から煙が出た時”の正しい対応|発火の直前サインを見逃さないための行動ガイド

天ぷら油火災は“いきなり燃え上がる”のではなく、
必ず 発火の直前に合図(サイン) が現れます。
それが「白い煙」。

油から白い煙が出たら、
その数十秒後には発火温度に到達 する極めて危険な状態です。

年末の揚げ物ラッシュで最も多いのが、
この“煙サインの見落とし”です。


■ 1. 白い煙は“発火直前”のサインと理解する

油温が約200℃前後になると、
油が分解されて白い煙が出始めます。

  • この時点で「あと少しで燃える」状態
  • 強火にしていた場合は数十秒で発火
  • ガスでもIHでも同じ現象が起きる

煙=消火行動の準備が必要。


■ 2. 煙を見たら“すぐにやること”

煙を見てからの初動が一番大切。

  1. 火(コンロ)を止める
  2. 鍋の上にフタをする準備をする
  3. 換気扇は止める(炎を吸い込んで延焼するため)

この3点で発火をほぼ防げます。


■ 3. 絶対にやってはいけないこと

煙が出て焦って次の行動をする人が多いですが、非常に危険。

  • 水を入れる
  • 冷蔵庫から水を取ろうと走る
  • 鍋を持ち上げて移動させる
  • 冷凍野菜を投入する(跳ねて火災に)

水×油=爆発的拡大 は火災の定番事故。


■ 4. フタをする時のコツ

火が出ていなくても、
煙が出ている段階でフタをするのは有効。

  • フタはコンロ横に常備
  • 濡れていない物(乾いたフタ)を使う
  • 置くのではなく“乗せる”イメージで
  • 少し隙間があってもOK(酸素が減れば火は止まる)

酸素を遮断するのが目的。


■ 5. 揚げ物中の“3つの見張りポイント”

煙が出る一歩手前の漠然とした変化を知っておくと予防しやすい。

  • 油の表面が“静かに揺れ始める”
  • 油から細かい泡が出る
  • 匂いが強くなる

この段階で火を弱めると安全。


■ 6. 年末は“マルチタスク”で事故が起きる

揚げ物中に次の行動が重なると危険。

  • 同時に2〜3品を調理
  • 子どもの呼びかけ
  • 宅配・来客
  • 電話

“火を消してから対応する”を鉄則に。


■ まとめ

天ぷら油からの白い煙は、
火災の秒読みサイン

  • 煙=すぐに火を止める
  • 習慣でフタの準備
  • 揚げ物中はその場を離れない
  • 水を絶対にかけない
  • 早めに温度を下げる

年末の調理こそ、
“煙のサインを見逃さないこと”が家族を守る最強の防災です。

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