「レベル4って避難だっけ?」
豪雨のたびに、そんな迷いが生まれていませんか。
気象庁は5月下旬から、防災気象情報の新たな運用を開始します。
狙いは、5段階の警戒レベルと情報を完全に整合させ、住民が“迷わず行動できる”ようにすることです。
今回は、防災の現場視点からこの新制度のポイントを整理します。
■① なぜ変更されるのか
これまで、
・大雨警報
・土砂災害警戒情報
・氾濫危険情報
などが個別に発表され、
「どれがレベル3?どれがレベル4?」
と分かりにくい構造になっていました。
今回の見直しでは、
5段階の警戒レベルにすべて対応する体系へ整理されます。
目的は、
避難判断の迷いを減らすことです。
■② 情報名に“レベル”が付く
新制度では、
情報名称そのものにレベル数字が付きます。
例:
・大雨警報 → レベル3大雨警報
・高潮注意報 → レベル2高潮注意報
・土砂災害警戒情報 → レベル4土砂災害危険警報
これにより、
「今は何段階なのか」が直感的に分かります。
伝わりやすさ重視の設計です。
■③ レベル5氾濫特別警報の新設
新たに、
レベル5氾濫特別警報が運用されます。
これは、
洪水予報河川で氾濫が差し迫ったときに発表されます。
レベル5は、
すでに災害が発生、または切迫している状態です。
ここで避難するのではなく、
レベル4で動くことが基本です。
■④ レベル4「危険警報」の運用
レベル4相当情報として、
「危険警報」が導入されます。
例:
・レベル4土砂災害危険警報
これは、
避難指示発令の目安となる重要な段階です。
元消防職員として強く言えるのは、
レベル4は“迷う段階”ではないということです。
■⑤ 新設される情報分類
従来の「気象情報」は、
2つに整理されます。
・気象防災速報(線状降水帯など極端現象を速報)
・気象解説情報(状況を網羅的に説明)
これにより、
速報性と解説性が分離され、
情報の性格が明確になります。
■⑥ 現場で多かった誤解
実際に多かったのは、
「まだ警報だから大丈夫」という誤解です。
警報=危険が迫っている状態です。
行政側は早めに出す傾向があります。
しかし住民側は“ギリギリまで様子を見る”。
このズレが被害を拡大させます。
■⑦ 自律型避難がより重要になる
制度が分かりやすくなっても、
最終判断は自分です。
自律型避難とは、
「指示を待たずに動ける力」。
ハザードマップ確認、
避難先の事前把握、
避難服の準備。
制度改革は、
自律型避難を後押しする仕組みです。
■⑧ 今できる準備
・警戒レベルの意味を家族で確認する
・レベル3で高齢者は避難開始と共有する
・レベル4で全員避難と徹底する
・スマホの気象通知をオンにする
制度が始まる前に、
理解しておくことが最大の備えです。
■まとめ|制度より大切なのは“判断力”
新しい防災気象情報は、
避難判断をシンプルにする大きな改善です。
結論:
レベル4で迷わず動けるかどうかが命を分けます。
現場で何度も見てきたのは、
「もう少し早ければ」という後悔です。
制度が変わっても、
最終的に命を守るのは自分の判断。
分かりやすくなった今こそ、
行動を早める防災へ。
■出典
気象庁「防災気象情報の改善について」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/keiho-update2026/index.html

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