【防災士が解説】“トラッキング火災”は冬と年末に最も多い|ホコリ×乾燥×暖房器具が揃うと一瞬で発火する理由

年末〜冬は、家庭火災の中でも
発生件数が急増するのが「トラッキング火災」 です。

コンセントに差しているだけで発火するため、
天ぷら油火災よりも“気づきにくく、逃げ遅れやすい”危険な火災です。


■ 1. トラッキング火災とは?

コンセントの“差し込み口に溜まったホコリ”が
湿気や静電気で帯電し、発火する現象。

  • 火花が飛ぶ
  • 樹脂部分が溶ける
  • 壁に延焼することも

“差したまま”が最も危険。


■ 2. 冬と年末にトラッキングが増える理由

次の条件が揃う季節だからです。

  • 空気が乾燥して静電気が発生しやすい
  • 暖房器具で電力使用量が増える
  • 年末の大掃除前でホコリが溜まっている
  • 加湿器の蒸気が届いて湿気が混ざる
  • 長期間差しっぱなしが多い

冬は“火事が起きやすい環境”が勢揃いします。


■ 3. トラッキングが起きやすい場所トップ5

家庭で最も発火しやすいのはここ。

  1. 冷蔵庫の裏
  2. 洗濯機の裏
  3. 電気ストーブ・こたつのタップ周り
  4. テレビ台の裏
  5. ベッド・布団の近くのコンセント

「掃除が届かない × 差しっぱなし」の場所ほど危険。


■ 4. 次の状態は“発火寸前の危険サイン”

下記に1つでも当てはまれば要注意。

  • コンセントに黒い焦げ
  • 差し込み口が熱い
  • タップが変形している
  • 焦げ臭いニオイがする
  • 差し込みが緩い
  • ほこりが溜まって白く曇っている

異変に気づいたら即交換。


■ 5. 冬のトラッキングを防ぐ最強の方法

今日からできる予防はこれだけ。

  • コンセントまわりのホコリを乾いた布で拭く
  • タップは“床に置かない”
  • 加湿器の蒸気をコンセントに当てない
  • 不要なものは差しっぱなしにしない
  • 定期的に抜き差ししてホコリを落とす
  • 古いタップは年末に交換する

特に暖房器具は消費電力が大きく、
トラッキングが起こると一気に延焼する。


■ 6. 年末は“掃除の順番”がポイント

トラッキング予防したいなら、
大掃除の順番はこれ。

  1. コンセント周りの掃除(乾拭き)
  2. キッチン・風呂・床の掃除
  3. 最後に加湿器を使い始める

最初にコンセントを綺麗にするのが鉄則。


■ 7. 子どもの部屋・寝室は要注意

冬は布団・毛布・暖房器具が密集しやすく、
タップが埋もれて見えなくなる。

  • ベッド下にタップを置かない
  • ホコリの溜まりやすい布団付近は避ける
  • テープで固定して“動かない設計”にする

寝ている間の火災が最も危険。


■ まとめ

トラッキング火災は、
差しているだけで起きる“静かな火災”

冬と年末は以下の理由で最も危険になります。

  • 静電気発生
  • ホコリが蓄積
  • 電気使用量が増える
  • 加湿器で湿気が混ざる
  • 差しっぱなしが増える

予防の最強ルールは、

「ホコリを取る・差しっぱなしにしない・古いタップは交換」

この3つだけで、多くのトラッキング火災は防げます。

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