災害が多発し、
感染症も広がる時代。
消防や救助に対する期待は
これまで以上に大きくなっています。
では、
組織として成果を出すために
指揮者は何を持つべきなのか。
東京消防庁特別救助隊長を務めた
髙野甲子雄氏の言葉から、
「現場で本当に必要な力」を整理します。
■① 現場の指揮者に必要なのは「決断する力」
現場は生き物です。
マニュアル通りにいかない。
想定外が重なる。
そんな時に必要なのは、
迷わない決断。
髙野氏は言います。
判断は早く。行動はゆっくり、確実に。
完璧を求めて遅れるより、
腹をくくって動く。
私は被災地派遣で何度も見ました。
判断が遅れた現場ほど、
混乱が拡大する。
逆に、
明確な目標を示すだけで
隊は落ち着きます。
■② 「基本+想像力」が現場を変える
救助は基本の積み重ねです。
体力
技術
知識
しかし、
それだけでは足りない。
現場を見て、
五感で感じ、
組み立てる想像力。
ホテルニュージャパン火災では、
マニュアル外の判断で
4人を救出。
これは
訓練量と想像力の融合です。
■③ 「腹をくくる」ことの意味
髙野氏は言います。
現場に立ったら腹をくくれ。
逃げない。
正面から向き合う。
私も現場で同じ言葉を
心の中で繰り返しました。
「絶対に助ける」
この覚悟が、
チームの空気を変えます。
■④ 東日本大震災での教訓
福島第一原発事故。
誰も経験していない災害。
マニュアルがない。
その中で掲げた目標は一つ。
「福島県民の恐怖を取る」
私は能登半島地震でも感じました。
身体を守るだけでなく、
“心の避難”を守ることも
防災の役割です。
放射線検査後の証明書発行。
これはマニュアル外。
しかし、
住民の安心につながった。
現場では、
行動しなければ何も変わらない。
■⑤ 完璧な隊長である必要はない
意外かもしれませんが、
髙野氏は「完璧でない隊長」だったと言います。
弱さを見せる。
隊員が補う。
チームが120%になる。
私も教官時代に実感しました。
隊員は
信頼できる指揮者のもとでこそ
本気を出す。
■⑥ 防災は組織マネジメントでもある
防災は装備だけではありません。
人をどう動かすか。
どう目標を示すか。
地域防災でも同じです。
自治体
企業
学校
リーダーが腹をくくるかどうかで、
現場は変わります。
■まとめ
現場で命を救う力は、
・基本の積み重ね
・想像力
・早い決断
・腹をくくる覚悟
そして、
「いつも心にオレンジ服を」
この言葉に、
消防の誇りが詰まっています。
防災は
知識だけではなく、
覚悟の問題でもあるのです。
■出典
Jレスキュー(2022年3月号)掲載対談
https://jrescue.net/

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