【元消防職員・防災士が解説】防災×EEI第1.1版|“情報の共通言語”が命を救う理由

災害現場で一番怖いのは、
「情報がないこと」ではありません。

本当に怖いのは、
情報がバラバラで共有されていないことです。

・孤立集落はどこか
・道路は通れるのか
・避難所は何人いるのか
・救助要請は何件か

この情報が機関ごとに違う形式で存在すれば、
支援は遅れます。

その混乱を防ぐために策定されたのが、
EEI(災害対応基本共有情報)第1版・第1.1版です。


■① EEIとは何か

EEI(災害対応基本共有情報)は、

令和5年4月に策定された
災害時に共有すべき「最低限の共通情報項目」です。

全米情報共有化協会の
Essential Elements of Information を参考に設計されました。

内容は、

・被害発生場所
・孤立集落
・避難所開設状況
・ライフライン被害
・道路規制
・救助要請
など25項目以上。

これを共通フォーマットで整理することで、

✔ 国
✔ 都道府県
✔ 市町村
✔ 消防
✔ 自衛隊
✔ 警察

が同じ言語で状況を理解できます。


■② なぜ標準化が必要なのか

災害時には、

・通信混雑
・電話不通
・報告重複
・地名表記の違い
・SNS誤情報

が必ず発生します。

私が現場で感じたことは明確です。

情報不足よりも、情報混乱の方が危険。

同じ孤立地区が
別名称で3回報告される。

逆に、
誰も正式名称を把握できず支援が遅れる。

EEIは、この混乱を防ぐ“共通言語”です。


■③ 能登半島地震で露呈した課題

令和6年能登半島地震では、

・山間部孤立
・広域避難
・紙ベース報告
・機関間の時間差

が顕在化しました。

情報はある。
しかし、

✔ 一元化されていない
✔ 最新化されていない
✔ 可視化されていない

この状態では判断が遅れます。

EEIに基づき標準化されていれば、

・支援ルート選定
・物資配分
・優先順位整理

の精度はさらに向上した可能性があります。


■④ SOBO-WEBとの連携

EEIは単体では完結しません。

次期総合防災情報システム
SOBO-WEB(令和6年度運用開始)と連携し、

・地図可視化
・リアルタイム共有
・広域支援調整

が可能になります。

さらにISUTとも連携し、

「集める」から「活かす」へ。

これが防災DXの核心です。


■⑤ システムよりも“運用力”

どれほど優れたシステムでも、

・入力担当が不明確
・更新が止まる
・訓練不足

では意味がありません。

元消防職員として断言します。

災害時に初めて触る仕組みは、必ず混乱する。

EEIは“準備している組織”だけが使いこなせます。

・平時訓練
・役割分担明確化
・定期更新確認

これが命を守る前提条件です。


■⑥ 住民にも関係がある

EEIは行政の仕組みですが、
住民も無関係ではありません。

・正確な通報
・位置情報の明示
・重複報告の回避
・デマ拡散防止

情報の質は、
支援スピードに直結します。

一つの誤情報が、
孤立地区の支援を遅らせることもある。


■⑦ 結論

災害対応は「情報戦」です。

EEIは、
その基盤を整える仕組み。

派手ではない。
しかし、なければ混乱が広がる。

命を救うのは、
ヒーローではなく、
整った情報です。


【出典】
内閣府 防災情報ポータル
https://www.bousai.go.jp/

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