【防災士が解説】防災×遠地津波と熱中症対策|長時間避難で命を守る新常識

2025年、カムチャツカ半島付近で発生した大地震により、日本の太平洋沿岸にも津波警報が発令されました。
宮城県では長時間の避難が発生し、その中で新たな課題として浮かび上がったのが「熱中症リスク」です。

津波対策はこれまで“早く逃げる”ことが中心でした。
しかし、遠地津波では“逃げた後どう過ごすか”が命を左右します。


■① 遠地津波とは何か

遠地津波とは、海外や遠方で発生した大地震によって発生し、時間をかけて到達する津波のことです。
近地地震と違い、到達まで時間があるため避難は比較的落ち着いて行えますが、その分警報が長時間続く特徴があります。


■② なぜ長時間避難が問題になるのか

津波警報は解除まで数時間以上続くことがあります。
炎天下や真夏の屋外で待機する場合、体力の消耗や脱水が進み、熱中症のリスクが高まります。
津波そのものよりも、その後の環境が危険になるケースもあるのです。


■③ 宮城県ガイドラインの見直しポイント

2025年の事例を受け、宮城県は津波対策ガイドラインを見直しました。
強調されたのは以下の点です。

・水分や冷却グッズの確保
・日陰(シェード)確保
・長時間待機を前提とした備え
・状況に応じた柔軟な判断

避難=移動ではなく、避難=継続行動と位置付けられました。


■④ 防災士として感じた現場の課題

被災地派遣やLOとして現場に入った経験から感じるのは、「一次災害に集中しすぎる」傾向です。
津波から逃げることは徹底されますが、その後の体調管理が後回しになりやすい。

防災士として実際に多かった失敗は、「水を持たずに避難すること」です。
慌てて出た結果、数時間後に体力が尽きてしまうケースがありました。


■⑤ よくある誤解

「遠くの地震だから危険度は低い」
これは誤解です。

遠地津波は到達に時間差があるため、警報が長時間継続します。
“見えない時間”にどう備えるかが重要です。


■⑥ 今日からできる備え

防災リュックに以下を追加してください。

・500ml以上の飲料水
・塩分補給用品
・帽子やタオル
・簡易冷却グッズ
・軽量シートや日除け

特別な装備は不要です。日常品で十分備えられます。


■⑦ 自律型避難という考え方

行政の指示を待つだけでなく、自分で判断して動ける力が重要です。
自律型避難とは、情報を冷静に受け取り、自分の環境に合わせて最適行動を選ぶこと。

行政側が言いにくい本音として、「全員を細かくサポートすることは現実的に難しい」という事情があります。
だからこそ、一人ひとりの備えが力になります。


■⑧ 津波対策は“暑さ対策”とセット

津波と熱中症は別問題ではありません。
特に夏場は、避難服として動きやすく体温調整しやすい服装を意識することも大切です。
普段のスウェットや部屋着をローリングストックとして用意しておく考え方も有効です。


■まとめ|遠地津波時代の新しい備え

遠地津波の教訓は、「避難後の時間」への備えでした。
命を守る行動は一瞬では終わりません。

結論:
津波対策は“逃げる準備”だけでなく“待つ準備”まで整えて初めて完成します。

防災士として現場で強く感じるのは、準備している人ほど冷静でいられるという事実です。
冷静さが、次の命を守ります。

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