【元消防職員が解説】防災×公務員倫理|平等取扱いの原則と災害対応の公正性

災害対応の現場では、「公平・公正」が強く求められます。
その根拠の一つが、地方公務員法第13条に規定されている「平等取扱いの原則」です。

平時の規定に見えますが、実は防災現場とも深く関わっています。
今回は、防災の視点から整理します。


■① 平等取扱いの原則とは何か

地方公務員法第13条は、
憲法第14条第1項の平等原則を受けて定められています。

すべての国民に対し、
法の下で平等に取り扱うことが求められます。

災害対応においても例外ではありません。


■② 防災現場における“平等”の意味

災害時には、

・物資配分
・避難所運営
・応急対応順位

などの判断が求められます。

ここで重要なのは、
「差別」と「合理的区別」を混同しないことです。

医療トリアージのように、
生命危険度に基づく優先順位は合理的区別です。


■③ 誤解されがちなポイント

「同じ事由なら全員同じ処分でなければならない」
と誤解されることがあります。

実際には、事情や態様が異なれば判断が分かれることもあります。

防災士として現場で見たのは、
表面だけで“えこひいき”と決めつけてしまう誤解です。

公正とは、画一ではありません。


■④ 宣言規定の位置づけ

地方公務員法第13条は原則規定です。
直接的な罰則規定ではありません。

しかし、
人事・処分・任用などの判断基準として拘束力を持ちます。

災害対応でも、
恣意的判断は許されません。


■⑤ 除外されるケースの誤解

憲法や政府を暴力で破壊することを主張する団体への関与などは、
別の法的評価の対象になります。

しかし「平等原則そのものが除外される」という理解は正確ではありません。

法治国家において、
原則は常に前提になります。


■⑥ 被災地で感じた“公平の難しさ”

被災地派遣やLOとして現場に入った際、
「なぜうちは支援が遅いのか」という声を多く聞きました。

実際には、

・道路寸断
・優先度判断
・人員制限

といった事情がありました。

元消防職員として強く感じたのは、
説明責任が信頼を守るという事実です。


■⑦ 行政側が言いにくい本音

災害時、全員を同時に救うことはできません。

資源は有限です。
だからこそ、基準に基づく判断が不可欠です。

“平等”とは「全員同時」ではなく、
「合理的で透明な対応」です。


■⑧ 防災における平等の本質

防災における平等とは、

・恣意的でない
・差別的でない
・合理的説明ができる

ことです。

これは公務員倫理であると同時に、
信頼を守る防災力でもあります。


■まとめ|平等は信頼を守る防災力

地方公務員法第13条は、
災害対応の根幹を支える原則です。

結論:
防災現場で求められる平等とは、画一的対応ではなく、合理的で説明可能な判断です。

元消防職員として現場で確信しているのは、
公正な基準と説明があってこそ、住民の信頼が維持されるという事実です。
法の原則は、防災の土台です。

出典:地方公務員法第13条

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