いま全国の自治体や公的機関で、
男性職員の育児休業取得を本格的に促進する流れが広がっています。
取得率100%を目標に掲げたり、
1か月以上の取得率向上を数値化したり、
出産・育児に関する特別休暇の完全取得を目指す動きも見られます。
これは単なる人事施策ではありません。
実は、防災力と深くつながっています。
■① なぜ育休が防災と関係するのか
災害時、
最初に守るべきは家族です。
家庭が不安定なままでは、
職員は現場で迷いが生まれます。
男性が育児に主体的に関わることは、
・家庭内の役割分担の明確化
・緊急時の家族対応力向上
・精神的な安心感の確保
につながります。
家庭基盤の強化は、
組織防災力の土台です。
■② 全国で進む「男性育休100%」の流れ
近年、全国的に
・男性職員の育児休業取得率100%を目標化
・1か月以上の取得率向上を明確化
・出産・育児休暇の完全取得推進
・当事者向け研修と管理職向け研修の同時実施
といった動きが進んでいます。
動画配信型研修やリモートラーニングなど、
受講しやすい形での教育実施も広がっています。
これは「取得しても評価が下がらない文化」を
組織全体でつくる取り組みです。
■③ 組織マネジメント力の向上
育休取得を前提とした組織づくりは、
・業務の属人化防止
・チームで補完し合う体制構築
・リーダーの調整力向上
を促します。
災害時は、
想定外の欠員や役割変更が発生します。
平時から業務を共有できる組織は、
非常時にも強い。
育休推進は、
災害対応力を高めるマネジメント訓練でもあります。
■④ 被災地で見えた現実
元消防職員として被災地派遣やLO業務に従事した際、
多くの職員が抱えていたのは
「家族を残して出動している不安」
でした。
家庭内で役割が共有されている職員ほど、
現場での判断がぶれない。
これは現場で何度も感じたことです。
防災力は、
家庭の安定から始まります。
■⑤ 行政側が言いにくい本音
災害は、
家庭事情を考慮してくれません。
だからこそ平時に、
・家族と役割を共有する
・緊急時の動きを話し合う
・子育てに主体的に関わる
経験が必要です。
育休は、
単なる休みではなく
「家庭の防災訓練期間」とも言えます。
■⑥ 自律型避難と家庭力
災害時に重要なのは、
「誰かが助けてくれる」ではなく、
「自分で動ける」力です。
家庭でも同じです。
家族が自律的に動ける体制があれば、
職員は安心して任務に集中できます。
家庭の自律性は、
組織の即応性を高めます。
■⑦ 数字よりも大切な“風土”
取得率の数字は大切です。
しかし本質は、
・取得しやすい空気
・上司の理解
・同僚の支え
という風土づくりです。
制度だけでは、
文化は変わりません。
研修を通じて
「理解」を広げることが重要です。
■⑧ 防災組織の未来像
これからの防災組織に必要なのは、
・多様性を受け入れる柔軟さ
・家庭と両立できる職場環境
・長期的に働き続けられる安心感
です。
強い組織とは、
長く続く組織。
その基盤が、
家庭を大切にする文化です。
■まとめ|家庭を守れる職員は、地域も守れる
結論:
男性育休の推進は、災害に強い組織をつくるための基盤整備である。
全国で進む男性育休促進の流れは、
単なる人事施策ではありません。
家庭を守れる職員が、
地域を守る。
防災とは、
制度と文化の両輪で築くものです。

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