災害現場でのドローン活用は、いまや重要な防災インフラの一つです。
しかし「飛ばせる」ことと「安全に運用できる」ことは全く別です。
今回は、防災現場で活きるドローンの基本操縦テクニックを整理します。
■① なぜ防災でドローンが重要なのか
ドローンは次の場面で活用されます。
・被災状況の上空確認
・孤立地域の把握
・土砂災害現場の安全確認
・延焼範囲の把握
人が入れない場所を「安全に見る」ことが最大の価値です。
私自身、被災地派遣の現場では「まず状況が見えない」ことが一番の課題でした。
情報が早く正確であるほど、救助も避難誘導も迅速になります。
■② 基本姿勢:まず“安定”
操縦の第一歩は「ホバリングの安定」です。
・目線の高さで静止
・風の影響を読む
・スティックを細かく動かさない
焦って大きく操作することが事故の原因になります。
防災現場では特に「安定」が最優先です。
■③ 前後左右移動は“低速・一定”
基本操縦では、
・前進 → 停止 → 後退
・左右移動 → 停止
を繰り返し練習します。
ポイントは「一定速度」。
急加速・急停止はバランスを崩しやすく、映像も不安定になります。
■④ 上昇・下降は慎重に
災害現場では上昇下降が多用されます。
・急上昇は気流の乱れに注意
・下降時はダウンウォッシュ(下降気流)を意識
建物周辺では特に乱流が発生しやすいです。
安全高度の確保が原則です。
■⑤ 機体の向きに慣れる
初心者が最も混乱するのが「機体が自分向きのとき」です。
ドローンが自分に向いていると左右が逆になります。
基本練習は:
・機体を前向きで操作
・横向きで操作
・自分向きで操作
これを繰り返すこと。
防災運用では、即座に方向を判断できる能力が必要です。
■⑥ 風の読み方
ドローン事故の多くは風です。
・ビル風
・谷間の吹き上げ
・海沿いの横風
風速だけでなく「風向きの変化」に注意します。
私は国家資格(二等無人航空機操縦士)を取得していますが、実技で最も重視されたのは「風の判断」でした。
■⑦ バッテリー管理は命綱
防災運用で最も怖いのは「帰還できない」こと。
基本は:
・残量30%で帰還判断
・寒冷地では消耗が早い
・予備バッテリー確保
バッテリー管理は操縦技術と同じくらい重要です。
■⑧ 法令遵守と安全確認
防災目的でも、航空法・小型無人機等飛行禁止法の遵守が必要です。
・飛行許可の確認
・飛行禁止空域の把握
・目視内飛行原則
安全と法令遵守が信頼を守ります。
■まとめ
防災ドローン操縦の基本は、
・安定
・低速
・状況判断
・バッテリー管理
・法令遵守
派手な操縦は不要です。
「確実に、安全に、状況を把握する」ことが目的です。
防災ドローンは技術ではなく“判断力”の道具です。
出典:国土交通省「無人航空機の飛行ルール」

コメント