【防災士が解説】防災×企業不祥事|不正会計から考える“情報の耐災害力”

大手企業グループで、子会社の広告代理事業において
長年にわたり架空売上が計上されていた可能性が発表されました。

最大で数千億円規模の売上が実態を伴わない可能性があり、
損失も数百億円規模にのぼる見通しとされています。

一見、防災とは関係がないように見えます。

しかし私は、防災の本質は
「社会システムが壊れないこと」だと考えています。


■① 不正会計は“経済の災害”

架空取引
資金の循環
外部代理店への流出

これらは単なる数字の問題ではありません。

・株主の信頼
・取引先の経営判断
・従業員の生活
・社会全体の信用

を揺るがします。

災害と同じく、「信頼の崩壊」は連鎖します。


■② なぜ長期間発覚しなかったのか

報道によれば、
複数年にわたり架空取引が継続していた可能性があります。

ここで重要なのは、

・内部統制
・チェック機能
・第三者監査
・ガバナンス

です。

防災で言えば「多重防御」が機能しなかった状態に近い。


■③ 防災と企業統治は似ている

私は被災地派遣やLOとして自治体支援に関わってきました。

災害対応でも、

・情報の正確性
・記録の整合性
・指揮命令系統の明確化

が崩れると、現場は混乱します。

企業も同じです。

“数字”は企業の生命線です。


■④ 情報が壊れると社会が壊れる

不正会計は物理的な被害を出しません。

しかし、

・投資判断の誤り
・金融不安
・関連企業への影響

を通じて、社会基盤に影響を及ぼします。

防災ではこれを
「間接被害」「二次災害」と呼びます。


■⑤ 組織防災の視点

組織が壊れないためには、

・不正が起きにくい構造
・通報しやすい環境
・透明性の確保

が必要です。

災害対策で言えば、

・備蓄
・訓練
・マニュアル

にあたります。


■⑥ 危機対応のポイント

今回、外部弁護士らによる特別調査委員会が設置され、
決算発表も延期されました。

危機対応で重要なのは、

・迅速な事実確認
・情報の公開
・責任の明確化

です。

私は元消防職員として、
初動対応の遅れが信頼低下を加速させる場面を何度も見てきました。

企業危機も同じです。


■⑦ 防災とは“信頼を守ること”

災害時に最も守るべきものは命ですが、
平時に守るべきものは信頼です。

信頼が壊れると、

・組織は機能停止
・経済は停滞
・地域は不安定化

します。

これも広い意味での「社会防災」です。


■⑧ 個人にできる備え

私たち個人にできることは、

・情報を鵜呑みにしない
・分散投資
・一社依存を避ける

ことです。

防災でも、
「一つに依存しない」ことが基本です。


■まとめ

今回の不正会計報道から学べることは、

・数字も“インフラ”である
・内部統制は防災と同じ多重防御が必要
・信頼は壊れると回復に時間がかかる

防災は地震や豪雨だけではありません。

社会システムが壊れない構造を作ること。

それも、広義の防災です。


出典:読売新聞オンライン(企業不正会計に関する報道)

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