【防災士が解説】防災×オープンラン ― 災害時に“耳をふさがない”という選択

災害時に大切なのは、「聞こえること」です。
近づく車の音、倒壊の兆候、呼びかける声、救助隊の指示。
オープンラン(骨伝導・耳を塞がないイヤホン)は、日常だけでなく防災の視点でも価値があります。


■① オープンランとは何か

オープンランは耳を塞がず、周囲の音を遮断しないイヤホンです。
骨伝導やオープンイヤー型が主流で、音楽や通話をしながら環境音を同時に把握できます。

防災では「情報取得」と「危険察知」の両立が重要です。


■② 災害時に耳を塞がないメリット

地震後の余震、建物のきしみ音、火災警報。
これらは“音”で危険を察知できます。

密閉型イヤホンは没入感は高いですが、防災時には不向きな場面があります。
耳を開放していることは、リスク低減につながります。


■③ 避難時の情報取得手段として

停電時、スマートフォンでラジオアプリや防災アプリを利用することがあります。
オープンランであれば、両手を使いながら情報を聞けます。

避難中は荷物を持ち、周囲を確認し、家族を誘導する状況が多い。
ハンズフリーは想像以上に有効です。


■④ 被災地で感じた“音”の重要性

被災地派遣の際、夜間の巡回では「小さな物音」が判断材料になることがありました。
倒壊の前兆音、ガス漏れの異音、誰かの助けを求める声。

耳を塞がないことは、安全確認の基本です。
テクノロジーは便利ですが、五感を遮断してはいけません。


■⑤ 高齢者・子どもとの避難での活用

高齢者や子どもを伴う避難では、声かけが頻繁に必要です。
密閉型イヤホンでは反応が遅れる可能性があります。

オープンランなら会話を妨げず、周囲の指示も同時に把握できます。


■⑥ 注意点と限界

・バッテリーが切れれば使えない
・騒音環境では音が聞き取りにくい
・完全防水でないモデルもある

万能ではありません。
あくまで「補助的な情報ツール」として活用します。


■⑦ 自律型避難との相性

防災で重要なのは「自分で判断できる状態」を作ることです。
情報を受け取りながら周囲を観察できる環境は、自律型避難を支えます。

誰かの指示を待つだけでなく、自分で状況を把握する。
耳をふさがないという選択は、その姿勢に通じます。


■⑧ 今日できる最小行動

・自分のイヤホンが周囲音を遮断していないか確認
・避難時は片耳のみ使用を意識
・防災ラジオやアプリの事前設定

日常の延長線で、防災仕様に変えるだけです。


■まとめ|耳を守るのではなく、耳を活かす備え

オープンランは“安全を奪わない”イヤホンです。
音を遮らないことは、防災において大きな意味があります。

結論:
災害時は「聞こえる状態」を維持することが、生存確率を上げます。

防災士として現場を見てきて感じるのは、危険は“音”で近づくことが多いということ。
耳をふさがない選択は、命を守る判断の一つになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました