【防災士が解説】防災×突っ張り棒 ― 地震時の家具転倒防止の正しい方法

地震で最も多い室内被害の一つが「家具の転倒」です。
特に震度5強以上では、本棚や食器棚が前倒れし、避難経路を塞ぐ危険があります。

突っ張り棒(耐震ポール)は、正しく使えば震度5〜6程度の揺れで家具の前倒れを防ぐ有効な対策です。


■① なぜ家具は倒れるのか

地震の揺れは「横揺れ」だけでなく「上下動」も伴います。
家具は前方へ回転する力がかかり、壁側から離れる形で倒れます。

固定していない家具は、簡単に凶器になります。


■② 耐震ポールは本当に効果があるのか

耐震専用品の突っ張りポールは、家具と天井を強く固定し、前方への回転を抑制します。
正しく設置すれば、震度5〜6程度の揺れに対応可能とされています。

ただし、設置方法を誤ると効果は半減します。


■③ 正しい設置方法

・家具の両端の奥側(壁際)に2本設置
・ポールは垂直に設置
・数cm長めに伸ばし、バネを圧縮して固定
・長さ固定ネジは穴貫通まで締める
・耐荷重100kg以上の製品を選ぶ

中央や前方への設置は無効です。


■④ 注意点と落とし穴

普通の突っ張り棒では不十分です。
必ず「耐震専用品」を選びます。

天井下地が弱い場合は当て板を併用します。
耐震マットと組み合わせることで、効果は大きく向上します。


■⑤ 被災地で見た家具転倒の現実

被災地派遣時、実際に多かったのは「固定していなかった本棚による負傷」です。
避難しようとしても家具が倒れて通路が塞がれているケースもありました。

「うちは大丈夫」という油断が一番危険です。


■⑥ 実際に多かった失敗

防災士として多く見た誤解は、
「天井に当たっていればOK」という考え方です。

固定ネジが甘い、片側だけ設置、中央設置。
これでは効果が出ません。

正しく設置して初めて意味があります。


■⑦ 地震多発地域こそ今すぐ対策

日本はどこにいても地震リスクがあります。
北九州を含む全国で震度5以上の揺れは起こり得ます。

家具固定は最も費用対効果の高い防災対策です。


■⑧ 今日できる最小行動

・自宅の大型家具を確認
・壁際奥側に2本設置されているか確認
・耐震専用品かチェック
・半年に一度の点検

「やるかどうか」で被害は大きく変わります。


■まとめ|家具固定は命を守る基本対策

突っ張り棒(耐震ポール)は、正しく選び、正しく設置すれば有効です。
難しい技術は必要ありません。

結論:
家具固定は、地震対策の“最優先”項目です。

被災地で何度も感じました。
転倒防止をしていた家は、被害が明らかに軽減されていました。
自律型避難の第一歩は、「室内で負傷しない環境を作ること」です。

出典:内閣府「家具の固定による転倒防止対策」資料

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