台風避難で意外と多い悩みが、「うるさくて眠れない」です。
・避難所の話し声
・子どもの泣き声
・雨風の音
・館内放送
・人の出入り
音は目に見えませんが、睡眠とメンタルを確実に削ります。
不眠が続くと、免疫・判断力・体力が落ち、体調不良の連鎖が起きます。
ここでは、避難生活で現実的にできる「騒音ストレス対策」と「眠りの回復」を、現場視点でまとめます。
■① なぜ台風避難は“騒音不眠”になりやすいのか
台風避難は「短期集中」になりやすく、避難所が一気に混みます。
その結果、音が増えます。
・人口密度が上がる(会話、足音、物音)
・夜でも入退室が続く(到着・移動・配布)
・雨風の音が強い(窓、屋根、雨樋)
・緊張で交感神経が優位(小さな音でも目が覚める)
つまり、環境要因+心身の緊張が重なり、眠れない構造になります。
■② 被災地で見た“音で崩れる”パターン
被災地派遣の避難所でよく見たのは、次の流れです。
1日目:興奮・緊張で眠れない
2日目:疲労でイライラが増える
3日目:頭痛・胃腸不調・風邪症状が出る
音は「睡眠を削る」だけでなく、避難所内の人間関係も荒らします。
眠れない人ほど、ちょっとした物音に怒りやすくなるからです。
“音対策は、体調管理でありトラブル予防でもある”
これが現場で感じた実感です。
■③ まずやるべきは「耳より先に、場所を変える」
騒音対策で一番効くのは、耳栓より“配置”です。
避難所では、音源が偏ります。
・入口・受付付近:出入りの音
・通路沿い:足音
・トイレ付近:人の往来
・配布場所付近:会話・作業音
・充電コーナー:人が集まりやすい
可能なら、スタッフへ一言。
「夜、眠れなくて体調が落ちています。静かな場所に移動できますか」
言いにくいですが、体調を崩すより優先です。
この“ひと言”で改善するケースは多いです。
■④ 避難所で現実的にできる「音を減らす道具」
▪ 耳を守る(優先度:高)
・耳栓(フォームタイプが扱いやすい)
・ノイズ低減イヤーマフ(子どもにも有効)
・イヤホン+ホワイトノイズ(電池・充電が前提)
耳栓がない場合は、
ティッシュを軽く丸めて耳に当て、テープで固定するだけでも“軽減”します。
▪ 目も一緒に守る(睡眠の質が上がる)
・アイマスク
・タオルで目元を覆う
・帽子を目深にかぶる
音だけでなく光でも起きるので、セットで対策すると効きます。
■⑤ 「眠れない夜」を乗り切る呼吸と体の使い方
避難所では、寝ようとするほど眠れません。
そこで、“眠ろうとしない睡眠”に切り替えます。
▪ 10分で切り替える方法
1)背中を丸め、肩の力を抜く
2)鼻から4秒吸う
3)口から6〜8秒で長く吐く
4)これを20回
吐く時間を長くすると、副交感神経が優位になります。
避難所の緊張状態でも効きます。
▪ 体を“重くする”小技
・足首をゆっくり回す
・ふくらはぎを軽く揉む
・首の後ろをタオルで温める(可能なら)
体が緩むと、音への反応が減ります。
■⑥ 眠れないときの“判断ルール”を持つ
避難所では「眠れないのに横になる」ほどストレスになります。
そこでルールを決めます。
・20分眠れなければ、一度座って休む
・水を一口飲む
・呼吸を整えてから再挑戦
目的は「完璧な睡眠」ではなく、
“体力の温存”です。
あなたが提唱している「動かない避難(体力温存)」の考え方が、ここでそのまま効きます。
■⑦ 家族連れの場合:音のストレスを減らす工夫
子どもがいると、周囲への気遣いがさらに増えて眠れなくなります。
・子どもの耳にもイヤーマフ
・昼に少しでも体を動かす(夜に寝やすい)
・寝る前の“同じ儀式”(絵本・手遊び・深呼吸)
子どもが落ち着けば、親の睡眠も戻ります。
■⑧ 体調を崩さないための“最低ライン”
台風避難は数日で終わることもあります。
その短期を乗り切る最低ラインはこれです。
・水分(脱水は眠りを浅くする)
・体を冷やさない(冷えは覚醒を増やす)
・糖分を摂りすぎない(血糖乱高下で眠れない)
・カフェインを夕方以降避ける
眠れないときほど、
コーヒー・エナドリに頼りがちですが逆効果です。
■まとめ:騒音不眠は“環境×緊張”の問題。対策は順番が大事
1)まず場所を変える(音源から離れる)
2)耳+目を守る(耳栓+アイマスク)
3)呼吸で緊張を落とす(吐く時間を長く)
4)眠れなくても体力温存に切り替える(動かない避難)
避難生活の睡眠は、根性では解決しません。
「静けさを作る工夫」を積み上げた人が、最後まで体調を守れます。

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