【防災士が解説】高齢者避難生活 冷え込みで朝まで不眠|体温を守って眠る“現実的”対処法

避難所の夜、冷え込みで眠れない。
これは高齢者にとって深刻な問題です。

冷えは「不快」だけでは終わりません。
睡眠不足→体力低下→転倒・脱水・体調悪化の連鎖につながります。

ここでは、高齢者が避難生活で冷えに負けず眠るための、現実的で再現性の高い対策をまとめます。


■① なぜ高齢者ほど“冷え”で眠れなくなるのか

高齢者は体温調整が弱くなりやすいです。

・筋肉量が少ない(熱を作りにくい)
・血流が落ちやすい(末端が冷える)
・床冷えの影響を受けやすい
・トイレの不安で水分を控える→血流が悪化

避難所は「冷えやすい条件」が揃っています。


■② 被災地で実感した“床冷え”の破壊力

被災地派遣の避難所で、
一番効いたのは暖房より「床から離す工夫」でした。

床は想像以上に体温を奪います。
毛布をかけても、下が冷たいと眠れません。

段ボールベッドや簡易ベッドが入った途端、
高齢者の体調が安定するケースを何度も見ました。

冷え対策は、命の優先順位が高い対策です。


■③ まず最優先:床から体を離す(ここが9割)

冷え不眠の核心は「床冷え」です。
やることはシンプルです。

▪ ① 下に敷く層を増やす

・銀マット(最優先)
・毛布を2〜3回折る
・段ボールを敷く
・衣類を重ねる

下の断熱ができると、体感温度が大きく変わります。

▪ ② 可能なら簡易ベッド

・段ボールベッド
・簡易コット

高さが少しあるだけで冷えが減り、起き上がりも楽になります。


■④ 体の“冷えポイント”を集中防御する

全身を完璧に温める必要はありません。
要所を守ると眠りやすくなります。

▪ 守る3点

・首
・手首
・足首

ここが冷えると体温が落ちやすいです。

現実的な方法は、

・首にタオル
・手首に袖を重ねる
・靴下+もう一枚(重ね履き)


■⑤ 眠る前の「体温を上げる儀式」

避難所では運動も難しい。
だから短い儀式で十分です。

・ふくらはぎを軽く揉む(血流)
・足首をゆっくり回す
・肩をすくめてストンと落とす
・温かい飲み物があれば一口(無理はしない)

体が温まると、眠りに入りやすくなります。


■⑥ トイレ不安で眠れない対策(冷え不眠の裏ボス)

高齢者の不眠には、冷えだけでなく

「夜のトイレが怖い」

が絡みます。

・暗い
・遠い
・転倒が怖い
・迷惑をかけたくない

▪ 現実的な対策

・足元ライト(ヘッドライトが理想)
・動線を昼に確認
・靴を寝る場所のすぐ近く
・できればトイレに近い場所へ相談

トイレ不安が減ると、眠りが戻りやすいです。


■⑦ “やらなくていい防災”で荷物を増やしすぎない

冷え対策で荷物を増やしすぎると、
持ち出しと管理が大変になります。

結論としては、最小で十分です。

・銀マット(薄くてもOK)
・首を守るタオル
・靴下(2枚運用)

この3点があるだけで、冷え不眠はかなり改善します。


■まとめ:高齢者の冷え不眠は「床冷え対策」が最優先

1)床から体を離す(銀マット・段ボール・ベッド)
2)首・手首・足首を守る
3)寝る前に血流を作る(足首回し・ふくらはぎ)
4)トイレ不安を減らす(ライト・動線・配置)

避難所の寒さは、我慢で乗り切るものではありません。
仕組みで体温を守り、睡眠と体力を確保しましょう。

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