高齢者の避難で本当に怖いのは、ケガより先に「暑さ」です。
暑さは静かに進み、気づいた時には動けなくなります。
・避難所に空調がない/弱い
・水分を控える(トイレが不安)
・暑さを自覚しにくい
・持病や服薬でリスクが上がる
ここでは、高齢者が避難生活で熱中症を防ぎ、睡眠と体力を守るための“現実的な手順”をまとめます。
■① 高齢者が暑さに弱い理由(まずここを知る)
高齢者は、暑さへの反応が遅れやすいです。
・のどの渇きを感じにくい
・汗をかきにくい/体温が下がりにくい
・血流調整が弱い
・体調変化を「年のせい」で見逃しやすい
「暑いのに平気そう」に見えるのが一番危険です。
■② 被災地で実感した“暑さの怖さ”は静かに来る
避難所でよく起きるのは、こういうパターンです。
・昼は我慢できる
・夜に蒸して眠れない
・翌朝、ぼーっとする
・食欲が落ちる
・動くのが億劫になる
この段階で水分と体温対策を入れないと、一気に悪化します。
暑さ対策は「症状が出てから」では遅いです。
■③ 高齢者避難の暑さ対策は「体を冷やす場所」を決める
全部を冷やす必要はありません。
効くポイントは3つです。
・首(頸動脈)
・わきの下
・太ももの付け根
冷却タオルや保冷剤があるなら、ここに当てます。
なければ、濡れタオルでも十分“効果”があります。
■④ 水分を飲めない問題を解く(トイレ不安が原因)
高齢者の熱中症対策を邪魔する最大要因が、トイレ不安です。
・遠い
・暗い
・転倒が怖い
・迷惑をかけたくない
だから水分を控え、脱水が進みます。
現実的な対策は、家族や周囲が「トイレの不安」を先に減らすことです。
・トイレ動線を昼に一緒に確認
・夜は足元ライトを準備
・靴をすぐ履ける位置へ
・可能ならトイレに近い場所へ移動相談
トイレ不安が減ると、水分が入るようになり、暑さに強くなります。
■⑤ 飲み方のコツ:一気飲みより「少量を回数」
高齢者は一気に飲むと苦しくなりやすいので、ルールを決めます。
・一口〜数口を、こまめに
・汗が多い日は塩分も少し(食事が取れていない時ほど重要)
「飲める量を増やす」より「回数で稼ぐ」が安全です。
■⑥ 避難所でできる“暑さを下げる配置”の工夫
避難所の暑さは、場所で差が出ます。
・風の通り道(出入口付近は混むが空気は動きやすい)
・窓の近く(直射日光は避ける)
・壁際(人の密集が少ないことがある)
可能ならスタッフへ短く相談します。
「高齢で暑さに弱いので、風が通る場所に移れますか」
この一言で体調が守れるケースがあります。
■⑦ “危険サイン”はこれだけ覚える(見守り用)
高齢者の熱中症は、本人が気づきにくいです。
周囲が見るポイントを絞ります。
・いつもより反応が遅い
・ぼーっとして会話が続かない
・顔が赤い/逆に青白い
・汗が異常に多い/逆に汗が出ない
・足がつる、ふらつく
・吐き気、食欲ゼロ
1つでも出たら、「休ませる+冷やす+水分」をセットで入れます。
■⑧ 眠れない夜の暑さ対策(睡眠が体力を守る)
暑いと眠れず、眠れないと回復しません。
ここは“眠るための温度”を作ります。
・首に濡れタオル
・うちわ/扇子で風を作る
・服は一枚減らす(汗が逃げる素材)
・可能なら足元を少し外に出す(熱が逃げる)
「体温を少し下げる」だけで眠りに入りやすくなります。
■まとめ:高齢者の暑さ対策は「冷却ポイント+水分の仕組み+見守り」
1)首・わき・股関節を冷やす(濡れタオルでもOK)
2)トイレ不安を減らして水分が入る環境を作る
3)少量を回数で飲む
4)配置で風を取る
5)危険サインは“反応・ふらつき・汗”に絞って見る
6)夜は首冷却で睡眠を守る
暑さは、根性では耐えられません。
仕組みで体温を守れば、高齢者の避難生活は一気に安定します。

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