災害対策というと、
多くの人は「水・食料・非常持ち出し袋」を思い浮かべます。
しかし本当に止まると危険なのは、
情報です。
生命保険会社での情報持ち出し問題が報じられました。
出向者による不適切な情報持ち出しが複数社で発覚し、
件数は合計2300件を超えています。
これは単なるコンプライアンス問題ではありません。
防災の視点で見れば、情報管理は“耐災害力”そのものです。
■① なぜ情報管理が防災と関係するのか
災害時に止まるのはインフラだけではありません。
・顧客データ
・保険契約情報
・連絡先情報
・金融情報
これらが混乱すると、
生活再建は遅れます。
被災後に必要なのは、
保険請求
給付確認
ローン情報確認
です。
情報が守られていなければ、
再建が止まります。
■② 被災地で見た“情報の混乱”
被災地派遣(LO)で現地対応をしていた際、
「契約内容が分からない」という相談が多数ありました。
書類が流失。
スマホが故障。
クラウドにログインできない。
その瞬間、
家族は不安に包まれます。
物資より先に求められるのは、
安心できる情報。
元消防職員として強く感じたのは、
情報の整理が心の安定に直結するという事実です。
■③ なぜ今、情報リスクが増えているのか
今回の問題は「内部からの持ち出し」です。
災害時はさらにリスクが高まります。
・テレワーク増加
・持ち出し端末増加
・緊急対応でルール緩和
混乱は管理を緩めます。
防災とは、
混乱下でも守れる仕組みを作ること。
■④ 情報の“BCP”はできているか
企業防災では、
物理的備蓄
帰宅困難対策
非常電源
は重視されます。
しかし、
情報バックアップ
アクセス権管理
緊急時ログ管理
まで整備している企業は多くありません。
防災士の視点で言えば、
情報は第二のインフラです。
■⑤ 個人ができる情報防災
企業だけの話ではありません。
個人も備えるべきです。
・保険証券の写真保存
・家族連絡先の紙控え
・重要IDの管理
・クラウドと紙の併用
災害時、
「ログインできない」は現実に起きます。
■⑥ 行政が言いにくい本音
公的支援は即時ではありません。
保険請求
罹災証明
給付申請
すべて“情報”が前提です。
情報が曖昧だと、
支援も遅れます。
耐災害力とは、
資産だけでなく
情報の整備力。
■⑦ 情報管理=信頼の備え
金融機関の信頼は、
安全管理にかかっています。
防災の本質は、
「想定外を減らすこと」
情報漏洩も同じ。
内部不正も想定内にする設計が必要です。
■⑧ 今日できる最小行動
まずはこれだけ。
・保険内容を確認する
・家族と共有する
・紙とデジタル両方で保管する
・緊急連絡先を書き出す
情報は、
整理された瞬間に防災になる。
■まとめ|情報を守れない組織は災害にも弱い
物があっても、
情報が守れなければ再建は遅れます。
企業も個人も同じです。
元消防職員として最後に伝えます。
災害時、最初に必要なのは、
「確認できる安心」
情報管理はコンプライアンスだけの話ではない。
それは、
命と生活を守る防災そのものです。
■出典
日本経済新聞「生保の無断情報持ち出し、住友生命は780件」(2026年2月9日)

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