巨大地震や豪雨災害では、避難生活が長期化することがあります。
そのとき問題になるのは、食料や毛布だけではありません。
「心の消耗」です。
特に、内向的な性格の人にとって、常に人がいる避難所環境は想像以上にエネルギーを奪います。
本記事では、防災と“休み方”を掛け合わせ、内向的な人が避難所で心を守る具体策を整理します。
■① 避難所で起きやすいメンタル疲労
避難所は安全を確保する場所ですが、
・常に人の気配がある
・物音が絶えない
・プライバシーが少ない
・周囲に気を遣い続ける
という環境でもあります。
内向的な人は、一人の時間や静かな時間で回復します。
つまり、避難所生活は「充電できない状態」が続きやすいのです。
■② よくある誤解「積極的に交流しなければ」
避難所では、
「周りと溶け込まないといけない」
「明るく振る舞わなければならない」
と感じてしまう人がいます。
しかし、無理に社交的になる必要はありません。
挨拶だけでも十分です。
被災地派遣で複数の避難所運営に関わった経験から言えるのは、
静かに過ごしている人を否定する空気は本来ありません。
大切なのは孤立しないこと。
無理をすることではありません。
■③ 内向的な人におすすめの避難所での休み方
・短時間の“ひとり時間”を確保する
・イヤホンで音を遮断する
・本を読む
・早朝や夜の静かな時間を活用する
5分でもいいので、自分の内側に戻る時間を作ることが回復につながります。
・外気や自然に触れる
可能であれば、建物の外で深呼吸をする。
森や海でなくても、空を見上げるだけで副交感神経は整いやすくなります。
自然環境にはストレス軽減効果があることが知られています。
・信頼できる少人数と過ごす
大勢ではなく、家族や親しい人と静かに話す。
ハグや手を握るといったスキンシップは、
オキシトシン分泌を促し、不安を和らげます。
■④ NGな過ごし方
☑ 無理に人混みの中心にいる
☑ 役割を抱え込みすぎる
☑ 予定を詰め込みすぎる
☑ 「我慢こそ正しい」と思い込む
避難生活は長期戦です。
エネルギー配分を間違えると、後半で一気に心が折れます。
■⑤ 現場で多かった“心の誤解”
被災地派遣やLO業務で避難所対応をしてきた中で、
「自分は弱いのではないか」と涙をこらえる人を何度も見ました。
しかしそれは弱さではありません。
災害は異常事態です。
心が疲れるのは自然な反応です。
元消防職員として多くの避難所を見てきましたが、
本当に安定していたのは“無理をしなかった人”でした。
静かにエネルギーを守れる人ほど、避難生活を乗り切れます。
■⑥ 迷ったらこの判断
「今、自分は回復できているか?」
これを基準にしてください。
交流が回復になる人もいれば、
一人時間が回復になる人もいます。
正解は一つではありません。
■⑦ 今日できる最小行動
・防災リュックにイヤホンを入れる
・小さな本を1冊準備する
・家族と“安心サイン”を決める
物資だけでなく、
“心を守る道具”も防災です。
■⑧ まとめ
避難所は命を守る場所ですが、
心を守る工夫がなければ長期戦で疲弊します。
内向的な人は、
無理に変わるのではなく、
静かに回復できる方法を持つこと。
防災とは、
命を守る備えであり、
心を壊さない備えでもあります。
出典:日本リカバリー協会「休養学」関連知見

コメント