令和8年も少雨の中、各地で林野火災が発生し、山梨県では林野火災が大規模化しました。林野火災は「山の火事」では終わらず、強風・乾燥・飛び火が重なると、住宅地や交通、停電など暮らし全体へ影響が広がります。
山梨県上野原市・大月市をはじめ、各地で発生した林野火災では、地元消防本部や消防団のほか、県内消防応援隊、近隣都県の消防防災ヘリ・自衛隊ヘリが、地上・上空から懸命な消火活動を実施しました。つまり、火が大きくなればなるほど、地域の力だけでは止めにくくなり、広域・航空・連携が必要になります。
この記事では、令和8年の状況から「なぜ拡大するのか」「何を決めておくと判断が軽くなるのか」を、現場目線で整理します。
■①令和8年も起きた現実|少雨+乾燥で林野火災が増える
少雨が続くと、落ち葉・枯れ草・下草が乾き、林床が“燃えやすい燃料”になります。そこへ風が入ると延焼が加速し、火は想像より速く走ります。
令和8年も少雨の中で各地の林野火災が発生し、山梨県では大規模化しました。「雨が少ない」だけでなく、「燃えやすい条件が整っている」と捉える必要があります。
■②なぜ大規模化するのか|火は“面”で広がり、近づけない
林野火災が厄介なのは、火点が複数になりやすく、地形や植生で接近・展開が制限されることです。
・燃える範囲が広い(線ではなく面)
・斜面・谷・林道事情で部隊が入りにくい
・風向きで火の動きが急変する
・飛び火で「離れた場所」も突然燃える
このため、初期で止められなければ、長期戦になりやすいのが林野火災です。
■③上野原市・大月市の教訓|地上だけでなく“空”が必要になる
山梨県上野原市・大月市をはじめ、各地で発生した林野火災では、地元消防本部・消防団に加え、県内消防応援隊、近隣都県の消防防災ヘリ、自衛隊ヘリが地上・上空から消火活動を実施しました。
ここが重要です。航空消火が入る規模は、「火が大きい」というだけでなく、「地上から止めにくい条件が揃っている」ことを意味します。住民側の最適解は、空の部隊が来る前にできること――つまり「出火を防ぐ」「早期通報」「避難判断を迷わない」を徹底することです。
■④元消防職員として感じる“誤解されがちポイント”
林野火災は、街の火災と同じ感覚で見ると判断を誤りやすいです。
・誤解①:火は見えてから避難すれば間に合う
・誤解②:消防が来れば大丈夫
・誤解③:山だから住宅までは来ない
実際は、煙・風・飛び火で状況が一気に変わります。「目で見てから」では遅れることがある。これが林野火災の怖さです。
■⑤被災地派遣(LO)で学んだこと|災害は“判断力”を削っていく
被災地派遣(LO)で現場に入ると、物資や情報以前に「判断が重くなる」瞬間を何度も見ます。災害が長引くほど、睡眠不足・寒さ・不安で判断力は落ち、避難や移動、片付けの優先順位がつけにくくなります。
林野火災も同じで、避難情報が出る・煙が漂う・道路規制が出る――こうした環境変化が続くと、家族の決断は鈍ります。だからこそ、平時に「迷わない仕組み」を作っておくことが、実は最も強い防災になります。
■⑥対応策①|少雨期は「火を使わない条件」を固定する
判断を軽くするために、火のルールは条件で固定します。おすすめは“たった一文”の家庭ルールです。
例
・風が強い日/乾燥注意報のときは屋外で火を使わない
・枯れ草・落ち葉の近くでは火気を扱わない
・喫煙は屋外でしない(吸い殻は必ず持ち帰る)
「状況を見て考える」より、「条件に当てはまれば禁止」にしておく方が、事故を減らせます。
■⑦対応策②|家の周りを“燃えにくく”して飛び火に備える
林野火災は飛び火が怖いので、家の周りの可燃物を減らすほど安全になります。
・庭や敷地の枯れ草、落ち葉を溜めない
・段ボール、木材、燃料類を外に置きっぱなしにしない
・風で飛ぶもの(ブルーシート等)を固定する
・消火器と散水ホースの位置を家族で共有する
「消せるか」より「燃えにくい状態」を作る方が、現実的で効きます。
■⑧対応策③|避難判断を軽くする「合図」を家族で決める
林野火災は、煙・風・道路状況で一気に条件が変わります。迷いを減らすため、合図を決めます。
例(そのまま使える合図)
・煙が見える/焦げ臭い+風が強い → まず避難準備
・自治体から避難情報が出た → 迷わず移動(徒歩避難が原則)
・夜間・停電・道路混雑で危険 → 早めに安全な場所へ移る判断を優先
「勇気」ではなく「合図」で動ける状態が、家族を守ります。
■まとめ|令和8年の教訓は「出火防止」と「判断を軽くする仕組み化」
令和8年も少雨の中で林野火災が各地で発生し、山梨県では大規模化しました。上野原市・大月市などの事例では、地元消防や消防団だけでなく、県内消防応援隊、近隣都県の消防防災ヘリ、自衛隊ヘリが地上・上空から消火活動を実施しています。火が大きくなるほど、止める難易度は上がります。
結論:
林野火災の最強の備えは「火を出さない条件固定」と「避難の合図を先に決めておくこと」です。
元消防職員として確信しているのは、助かる人は“頑張れる人”ではなく、“迷わない状態を先に作った人”だということです。今日やることは一つで十分です。家族で「乾燥・強風の日は屋外で火を使わない」を一文で決め、スマホのメモに入れて共有してください。それだけで、次の少雨期のリスクは確実に下げられます。
出典:気象庁「天候の状況(少雨・降水量の状況)」https://www.data.jma.go.jp/stats/data/mdrr/tenkou/indexTenkou.htm

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