水もある。食料もある。懐中電灯もある。
それでも――
「停電が長期化した場合の備え」までできている家庭は、約3割。
これは、戸建て世帯1,010人を対象にした調査で見えた現実です。
防災グッズは揃っているのに、
“生活を維持する電気”まで想定できていない。
今回は、停電対策の本質を整理します。
■① 防災グッズの準備は進んでいる
調査によると、準備している物の上位は以下の通り。
・水・食料品(59.1%)
・懐中電灯(53.3%)
・乾電池(43.7%)
防災の基本は、確実に浸透しています。
しかし、
・ポータブル電源
・家庭用蓄電池
・発電機
といった「モバイルバッテリー以外の電源供給手段」は約3割。
ここが大きな分かれ目です。
■② 停電は“数時間”で終わらない
被災地派遣(LO)で現地調整に入った際、
多くの家庭が直面していたのは“長期停電”でした。
✔ 冷蔵庫が止まる
✔ 冬は暖房が使えない
✔ 夏はエアコン停止
✔ スマホ充電が切れる
✔ 情報が入らない
乾電池や懐中電灯では
「生活維持」はできません。
停電は不便ではなく、
“生活停止”です。
■③ 点検している家庭は少数
定期点検(年1回以上)の実施率は、
・屋根や外周点検:22.8%
・防災グッズ点検:33.9%
・消火器具点検:22.0%
・家具転倒対策:34.1%
半数以上が未実施。
「備えたつもり」で止まっている家庭が多数です。
防災は、
“買うこと”ではなく
“維持すること”です。
■④ 家族の共通認識も不十分
家族で共有できている割合は、
・避難場所:53.2%
・避難経路:37.5%
・安否確認方法:38.6%
・応急手当方法:26.2%
目的地は決めている。
でも、どう動くかは決めていない。
これは非常に危険です。
元消防職員として断言します。
災害時は
「迷った時間」が命を削ります。
■⑤ 子どもへの防災教育は1割未満
「十分に教えられている」
と回答した家庭は5.5%。
6割以上が不十分。
子どもは守られる存在ですが、
同時に“判断する存在”でもあります。
家庭での防災会議は、
最大の防災訓練です。
■⑥ 停電対策をどう考えるか
戸建て世帯は特に復旧が遅れる場合があります。
在宅避難が前提なら、
✔ 冷蔵庫を何時間維持したいか
✔ 冬場に最低限必要な暖房は何か
✔ 医療機器が必要か
✔ スマホ何台分を何日充電したいか
ここまで具体化してください。
「電気は復旧する」ではなく、
「何時間耐えられるか」で考えます。
■⑦ 今日できる具体策
✔ 備蓄の消費期限を確認
✔ モバイルバッテリーを満充電
✔ 家族で安否確認方法を決める
✔ 停電想定で一晩過ごしてみる
✔ 冷蔵庫が止まった場合の優先順位を考える
防災は机上ではなく、
シミュレーションです。
■⑧ 本当の防災とは
防災グッズを揃えることは第一段階。
しかし本質は、
「生活を止めない備え」
です。
電気は、
現代社会の生命線。
水・食料に続く
“第三の備蓄”が電力です。
■まとめ
✔ 防災グッズは揃っている家庭が多い
✔ しかし電力確保は約3割
✔ 点検・共有・教育は不十分
✔ 停電対策は“生活維持”の視点で考える
防災は、
想定外を減らす作業です。
停電を“もしも”ではなく
“いつか来る前提”で考えてください。
その一歩が、
家族の安心を守ります。
出典:株式会社ECODA「家庭での防災対策と電力確保の実態」調査(2026年1月実施)

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