【防災士が解説】二次災害から守る防災|“逃げた後”に起きる危険を減らす家庭ルール

二次災害は、「本震が終わった後」に起きます。
余震、火災、津波、土砂、倒壊、感染症、車の事故、デマ──。
一度助かった命が、油断や疲れで危険に近づいてしまうのが二次災害の怖さです。
ここでは、家庭でできる“二次災害を減らす仕組み”を、具体的に作っていきます。


■① 二次災害とは何か|「助かった後」に起きるリスクの総称

二次災害は、災害そのものではなく“その後の連鎖”です。
地震なら、余震→倒壊→火災→停電→情報不足→判断ミス、のように続きます。

二次災害を防ぐコツは、原因を「行動」に落とすことです。
つまり、やってはいけない行動を先に決めるだけで、事故はかなり減ります。


■② 余震から守る|「戻らない・近づかない」が基本

余震で一番多いのは、倒れかけの場所に入ってしまうことです。
特に危ないのは次の3つ。

・割れたガラスがある部屋
・家具が倒れた部屋
・外壁やブロック塀の近く

家庭ルールはシンプルにします。
「揺れが落ち着くまで、危険な部屋に戻らない」
「外は、塀・看板・電柱の下に立たない」

“取りに戻る”で負けるケースが本当に多いです。


■③ 火災から守る|通電火災・ガス・電気を“止める順番”

地震の二次災害で怖いのが火災です。
特に停電復旧時の通電火災は、後から起きます。

家庭で決めておく順番はこれです。

1) 揺れが収まったら火を止める
2) ガスの元栓(またはメーター)確認
3) ブレーカーは状況次第で落とす(焦げ臭い・破損・水濡れがあるなら落とす)

「電気を戻した瞬間に燃える」より、先に止めて安全確認が基本です。


■④ 津波・土砂から守る|“様子見”が命取りになる

沿岸部や河川、斜面の近くは、二次災害が早いです。

・津波:警報が出たら、見に行かない
・土砂:雨の後は斜面に近づかない
・河川:増水確認に行かない

「見に行く」は事故の入口です。
家族で言葉にして決めておくだけで止められます。


■⑤ 避難所の二次災害|体調悪化とトラブルを防ぐ“境界線”

避難所は安全ですが、二次災害(体調・感染・メンタル・揉め事)が起きやすい場所でもあります。

家庭で意識したいのは3つ。

・睡眠を最優先(寝不足は判断力を落とす)
・手洗いとマスクで感染を減らす
・貴重品は身につける(置かない)

避難所での疲れは「体調→心→判断」の順で崩れます。
小さな工夫で、回復力が変わります。


■⑥ 被災地で多かった“危ない行動”|善意と焦りが事故を生む

被災地派遣(LOとして現地で生活再建の調整に入った経験)で、二次災害の入口はだいたい同じでした。

・片づけを急いで素手でガラスを触る
・倒壊の可能性がある家に戻る
・暗い場所をライトなしで歩く
・情報が不安でSNSを見続けて眠れない

二次災害は、悪意ではなく「焦り」と「善意」で起きます。
だからこそ、家庭で“止める言葉”を用意しておくのが強いです。


■⑦ 情報の二次災害から守る|デマで疲れない家庭ルール

災害時は情報が命ですが、情報で疲れるのも事実です。
おすすめは「見る時間」を決めること。

・ニュース確認は1日数回で十分
・家族で共有するのは「やること」だけ
・不安を煽る投稿は見ない、回さない

情報の取りすぎは、行動を止めます。
不安が増えたら、スマホを置いて“1つだけやる”が回復の近道です。


■⑧ 今日からできる“二次災害対策1つ”|家族で一文決める

二次災害対策は、道具よりルールが効きます。
今日やるなら、このどれか1つでOKです。

・「見に行かない」を家族の合言葉にする
・割れたガラス用に軍手を玄関に置く
・避難先の集合場所を1つに決める
・余震が落ち着くまで家に戻らないと決める

とりあえず1つからでOKです。
“止めるルール”がある家庭ほど、二次災害に強くなります。


■まとめ|二次災害は「行動ルール」で減らせる

二次災害は、助かった後に起きる事故です。
だから、家庭で先に決めた“やらない行動”が命を守ります。

結論:
二次災害から守る最強の備えは「見に行かない」「戻らない」「無理しない」を家族で言葉にして共有すること。防災士として現場を見てきた実感でも、これだけで事故は確実に減ります。

出典:内閣府 防災情報のページ
https://www.bousai.go.jp/

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