災害時の停電は、数時間で終わるとは限りません。
スマホ充電、冷蔵庫、照明、医療機器──
「どこまで守りたいか」で、選ぶポータブル電源は変わります。
この記事では、防災士の視点で
“家庭に合った容量と失敗しない比較ポイント”を分かりやすく解説します。
■① なぜポータブル電源が必要?|停電72時間を支える現実的な備え
大規模災害では、復旧まで数日かかるケースがあります。
特に地震・台風・豪雨では広範囲停電が発生します。
最低限守りたい電源は次の3つです。
・スマホ
・照明
・情報(ラジオ・Wi-Fi)
余裕があれば、
・冷蔵庫
・電気毛布
・在宅医療機器
も対象になります。
■② 容量の目安|まずは500Wh?1000Wh?
よく迷うのが容量です。
目安は以下です。
・300〜500Wh:スマホ・LED・小型家電中心(軽量重視)
・700〜1000Wh:冷蔵庫・電気毛布まで対応(家庭標準)
・1500Wh以上:数日分を本格的にカバー
「大きいほど安心」は事実ですが、重さと価格も上がります。
家庭防災では、1000Wh前後が現実的なバランスです。
■③ 出力(W)を見落とさない|容量より重要なポイント
容量(Wh)だけで選ぶと失敗します。
重要なのは「定格出力(W)」です。
例:
・冷蔵庫:150〜300W
・ドライヤー:1200W以上
・電子レンジ:1000W以上
出力不足だと、容量が足りていても動きません。
■④ リン酸鉄リチウムが主流|安全性と寿命の違い
現在主流なのはリン酸鉄リチウム電池。
特徴は、
・発火リスクが低い
・充放電回数が多い(長寿命)
・価格はやや高め
災害備蓄として長期保管するなら、リン酸鉄が安心です。
■⑤ 現場で多かった失敗|「買っただけ」で終わる
被災地派遣時、よく見たのは
「買っていたが充電していなかった」
「重すぎて持ち出せなかった」
というケースです。
防災は“所有”ではなく“運用”です。
・月1回の充電確認
・家族が使えるかテスト
ここまでやって初めて意味があります。
■⑥ ソーラーパネルは必要?|優先順位を整理
停電が長期化した場合、太陽光充電は有効です。
ただし、
・天候に左右される
・発電量は限定的
という現実があります。
まずは大容量本体、
余裕があればソーラー追加が順番です。
■⑦ 家庭別おすすめ容量モデル
・単身者:500Wh前後
・4人家族:1000Wh前後
・医療機器使用家庭:1500Wh以上+予備電源
「守る対象」で選びましょう。
■⑧ 今日できる行動|最小限の電源防災
・家庭の使用電力を書き出す
・必要W数を確認する
・置き場所を決める
・月1回充電日を設定する
■まとめ|ポータブル電源は“容量×出力×運用”
容量だけで選ばない。
出力を確認する。
買ったら必ず運用する。
結論:
家庭に合う容量を選び、使える状態で維持することが本当の防災です。
元消防職員として現場に入った経験から言えるのは、
電源がある家庭は「情報格差」と「不安格差」が圧倒的に小さいという事実です。
電気は命を直接救うだけでなく、判断力を守ります。

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