【防災士が解説】火山噴火警戒「屋内待機か避難か」|迷ったらこの判断で命を守る

火山が噴火しそう、または噴火した。
このとき一番危ないのは、「何が起きるか分からない」不安で判断が遅れることです。

火山災害は、地震や台風と違って“危険の種類”が複数あります。
だからこそ、家庭向けには「迷ったらこの判断」を一本化しておきます。


■① 結論|迷ったら「灰対策の屋内待機」。ただし“命の危険サイン”なら即避難

基本ルールはこれです。
迷ったら、まず屋内待機(灰・ガス対策を優先)。

ただし、次のどれかに当てはまるなら結論は逆で、
すぐ避難(または指定の場所へ移動)です。

・自治体が避難指示・避難情報を出している(火山の警戒レベル含む)
・火砕流・噴石の危険範囲にいる(地図で指定される区域)
・家が谷筋、川沿いで、泥流(火山泥流・土石流)が来やすい地形
・目や喉が痛い、息苦しいなどガスの影響が出ている(屋内でも)

火山は「自己判断で粘る」ほど危険が上がる場面があります。
情報が出たら、出た方が勝ちです。


■② まず知っておく|火山の危険は「4種類」ある

噴火のときに起こる危険を、4つに分けて理解すると判断が速くなります。

・噴石:石が飛ぶ(当たれば即致命傷)
・火砕流:熱いガスと噴出物が流れる(速度が速い)
・降灰:灰が積もる(呼吸・視界・交通・電気を止める)
・火山泥流:灰が雨で流れて土石流化(噴火後に時間差で来る)

家庭でいちばん遭遇しやすいのは「降灰」ですが、
いちばん致命的なのは「噴石・火砕流」です。
だから、危険範囲にいるかどうかが最重要です。


■③ 屋内待機が正解になる条件|灰とガスから身を守る

次の条件が揃うなら、屋内待機が有効です。

・危険範囲(噴石・火砕流・泥流)に入っていない
・建物の中に安全に留まれる(窓が閉まり、雨風を防げる)
・外に出ると視界不良や滑りで転倒リスクが高い
・避難所までの移動が危険(灰で路面が滑る、車の事故が増える)

噴火直後の外出は、転倒・事故・目の損傷が増えます。
「とりあえず外へ」は、火山では損になりやすいです。


■④ 屋内待機のやり方|“灰は家の中に入れない”が最優先

屋内待機を選ぶなら、やることはシンプルです。

・窓、換気扇、給気口を閉める
・エアコンは外気取り込みを避ける(換気モード注意)
・濡れタオルやマスクで喉・鼻を守る
・ゴーグル(なければメガネ)で目を守る
・屋外作業は基本しない(どうしてもなら短時間)

降灰は「細かい粉」です。
家の中に入ると、掃除が地獄になります。
まず入口を塞ぐのが勝ちです。


■⑤ 避難が正解になる条件|「噴石・火砕流・泥流の範囲」は即決

火山で避難が必要なのは、命に直結する危険があるときです。

・噴石の危険範囲(近距離)
・火砕流の危険範囲(谷筋含む)
・泥流が来る地形(雨が降ると一気に危険)
・行政が避難を出している

被災地派遣の現場でも共通して言えるのは、
「迷っている間に状況が悪化する」ということです。

火山は“次の一手”が突然来ます。
避難指示が出たら、早めに切る。
これは他の災害以上に重要です。


■⑥ 車で避難していい?|灰は車を止める。無理に走らない

降灰時の車は危険です。

・視界が悪くなる
・路面が滑る
・ワイパーでフロントガラスが傷つく
・エンジンやフィルターが詰まる

避難が必要な状況でも、
無理に車で突っ込むより「安全な経路」「安全なタイミング」が重要です。

基本は、
行政が案内するルートと、早めの避難。
遅れてから車で動くのは事故が増えます。


■⑦ 家族がいる家庭の即ルール|子ども・高齢者は「灰」で消耗する

火山は“逃げ切れば終わり”ではなく、
灰で生活が削られます。

・子どもは目や喉が弱い
・高齢者は呼吸器への負担が大きい
・喘息やアレルギーがある人は特にきつい

だから家庭では、
「避難が必要ない範囲」でも、
屋内で体力を温存する設計(動かない避難)が効きます。


■⑧ 迷ったらこの判断カード|火山は「範囲」と「指示」で決める

迷ったら、これだけで決めてください。

・危険範囲(噴石・火砕流・泥流)にいる → 即避難
・避難情報(警戒レベル含む)が出ている → 早めに避難
・範囲外で、灰が主なリスク → 屋内待機+灰対策
・雨が降りそうで谷筋にいる → 泥流を警戒して早めに移動


■まとめ|火山は「屋内待機が基本」でも、範囲に入ったら即避難

結論:
迷ったら屋内待機。ただし危険範囲にいる、または避難情報が出たら即避難です。

防災士として現場で感じるのは、
火山は「分からないから様子見」が一番危ない、ということです。

「どこにいるか(範囲)」と「何が出たか(指示)」で決める。
これが、家庭で命を守る一番シンプルな判断です。

出典:気象庁「火山防災情報(警報・予報)」

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