【防災士が解説】災害で“スマホ圏外”になったらどうする?|2026年版 通信インフラの現実と家庭の備え

災害時の本当の恐怖は、「情報が止まること」です。
揺れが止まっても、火が消えても、通信が止まると支援も判断も止まる。

2026年現在、
・事業者間ローミングの進展
・Starlinkなど衛星通信の家庭導入増加

といった前向きな動きもあります。
しかし、結論は変わりません。

「つながるかどうか」よりも、“つながらない前提で回る家庭設計”が命を守る。


Table of Contents

  • ■① 結論|2026年でも“万能キャリア”は存在しない
  • ■② 災害で通信が止まる4つの理由
  • ■③ 事業者間ローミングの進展|2026年の変化
  • ■④ Starlink家庭導入の広がりと現実的な位置づけ
  • ■⑤ 大手キャリアと格安SIMの考え方(最新整理)
  • ■⑥ 圏外になった瞬間の優先順位
  • ■⑦ 家庭で決めておくべき通信断ルール
  • ■⑧ 今日できる最小行動
  • ■結語|通信は「保険」であり「分散」が鍵

■① 結論|2026年でも“万能キャリア”は存在しない

現場で何度も見てきました。

「ここはドコモが入る」
「ここはauしか無理」
「ここはどこも弱い」

地域・地形・被害状況で状況は変わります。

2026年になり、各社とも対策を強化していますが、

“絶対につながるキャリア”はありません。

正解はランキングではなく、

  • 家族の生活圏での実測
  • 回線の分散
  • 通信断前提の行動設計

この3点です。


■② 災害で通信が止まる4つの理由

災害時の通信障害は複合要因です。

  1. 基地局停電
  2. 光回線断線
  3. アクセス集中(通話制限)
  4. 地形・山間部の弱電界化

特に怖いのは、
「一瞬つながるが弱くて切れる状態」

この状態は人を焦らせます。

東日本大震災以降の災害現場でも、
通信断がパニックを増幅させる場面を何度も見ました。


■③ 事業者間ローミングの進展|2026年の変化

近年進んでいるのが事業者間ローミングです。

これは、
あるキャリアの基地局が停止しても、
他社のネットワークを一部活用できる仕組み。

2026年時点では、

  • 緊急通報(110・119)は比較的強化
  • 一部エリアでの補完接続の検討・運用

などが進展しています。

ただし注意点:

  • 全国一律ではない
  • データ通信が常に安定する保証はない
  • 災害規模次第で機能しない可能性もある

ローミングは“補助輪”であり万能ではない。

これが冷静な評価です。


■④ Starlink家庭導入の広がりと現実的な位置づけ

能登半島地震でも活用された衛星通信。

2026年現在、
Starlinkの家庭導入は確実に増えています。

メリット:

  • 地上インフラに依存しない
  • 山間部でも利用可能
  • 停電時も発電機やポータブル電源で運用可

ただし現実:

  • 電源が必要
  • 初期費用・月額費用あり
  • ナショナルセキュリティ観点の議論もある

家庭単位では、

「絶対に必要」ではなく「選択肢の一つ」

特に山間部や離島、医療・事業用途なら検討価値あり。
都市部の一般家庭では、まず回線分散の方が優先です。


■⑤ 大手キャリアと格安SIMの考え方(2026整理)

● 大手3社+楽天

  • NTTドコモ
  • KDDI(au)
  • ソフトバンク
  • 楽天モバイル

各社とも災害対策を強化中。
ただし地域差が前提です。

● 格安SIM(MVNO)

例:

  • mineo
  • IIJmio
  • BIGLOBEモバイル
  • イオンモバイル

混雑時、とくにMVNOでは速度低下が起こりやすいと指摘されています。

したがって、

  • メイン回線=大手
  • サブ回線=別系統(大手 or MVNO)

が現実的設計です。


■⑥ 圏外になった瞬間の優先順位

通信が不安定な時は、

① 安全確保
② 短文送信(SMS優先)
③ 位置情報は補助
④ 情報源切り替え(ラジオ・掲示板)

電話をかけ続けるのはNG。
電池も回線も消耗します。


■⑦ 家庭で決めておくべき通信断ルール

元消防職員として強く言います。

通信が切れた瞬間、
家族は「探しに行く」方向に動きます。

それが最も危険。

決めるべきは:

  • 集合場所1つ
  • 待機時間ルール
  • 迎えに行く係の固定
  • 紙で掲示

スマホがなくても回る設計が最強です。


■⑧ 今日できる最小行動

  • 家族の回線を確認(同一キャリアのみになっていないか)
  • eSIMでサブ回線検討
  • モバイルバッテリー容量確認
  • 短文テンプレ作成
  • 集合場所を紙に書く

5分でできます。


■結語|通信は「保険」であり「分散」が鍵

2026年、通信は進化しました。

ローミングもある。
Starlinkもある。

でも現場の真実は変わりません。

通信は止まる可能性がある。

だからこそ、

  • 分散
  • 冗長化
  • 通信断前提設計

これが“家族を守る通信防災”です。

つながることを祈るより、
つながらなくても迷わない設計を。

それが命を守ります。


出典(参考)

総務省「情報通信白書」および各通信事業者の災害対応公表資料

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