【防災士が解説】避難所で「最初の30分」にやるべきこと|元消防職員が見た快適さとトラブルを分ける行動

はじめに

避難所は「来た順番」で快適さが決まるわけではありません。
実際に差が出るのは、到着直後の30分で何をするかです。

元消防職員として現場に立ち、被災地派遣(LO)で避難所の混乱や生活課題も見てきました。
避難所でつらくなる人には共通点があり、逆に楽になる人にも共通点があります。

この記事では、避難所に着いた瞬間から迷わないための“最優先行動”を整理します。


■① 結論|避難所は「場所・情報・睡眠・衛生」を先に確保した人が勝つ

避難所で生活が崩れる原因はだいたい4つです。

  • 場所(寒さ暑さ・出入口・トイレ距離・騒音)
  • 情報(貼り紙、点呼、配布、ルール)
  • 睡眠(床の硬さ、音、灯り、不安)
  • 衛生(トイレ、手洗い、ゴミ、感染症)

到着直後にこの4つを押さえると、その後の1〜3日が激変します。


■② 避難所の現実|「困るのは物資不足より人間関係と環境」

避難所がしんどい理由は、物がないだけではありません。

  • 人が密集して落ち着けない
  • 音・光・においで眠れない
  • トイレが遠い、汚れやすい
  • ルールが分からず動けない
  • 周囲に気を遣いすぎて疲れる

現場では「迷惑をかけたくない」が強すぎて、体調を崩す人が多かったです。
避難所は遠慮しすぎるほど消耗します。


■③ 到着後0〜10分|まずやることは「受付→情報→場所取り」

避難所に着いたら最初にこれだけやります。

1) 受付(名簿登録・連絡先)
2) 情報確認(貼り紙・職員・係に聞く)
3) 場所を決める(条件で選ぶ)

場所取りはワガママではありません。
体調を守るための“防災行動”です。


■④ 場所選びの基準|避難所の快適さは「どこに座るか」で決まる

場所は雰囲気で選ばず、条件で選びます。

避けたい場所

  • 出入口の真正面(冷気・風・人の出入り)
  • トイレのすぐ横(におい・騒音・夜間動線)
  • 通路の端(踏まれる・荷物が当たる)
  • 窓際(寒暖差・結露・外気)
  • 放送スピーカーの近く(睡眠を削る)

比較的ラクになりやすい場所

  • 壁際(背後が守られて落ち着く)
  • トイレは近すぎず遠すぎず(夜間動線の確保)
  • 家族単位で固められる位置(バラバラ防止)

優先順位は「睡眠が取れる場所」です。
食料はあとから来ますが、睡眠不足は体調を即崩します。


■⑤ 到着後10〜30分|「睡眠」と「衛生」を先に固める

避難所で体調不良が増えるのは、だいたいここが抜けます。

睡眠の最小セット

  • 床の硬さ対策(段ボール、マット、毛布を下に)
  • 目の光対策(タオル、アイマスク)
  • 耳の音対策(耳栓、イヤホン)
  • 首と腰の支え(丸めたタオルでOK)

床が硬いと腰痛で眠れなくなり、回復できません。
現場でも「腰がやられて動けない」は本当に多いです。

衛生の最小セット

  • 手指の清潔(除菌シート、手指消毒)
  • トイレ導線の確認(夜間の安全)
  • ゴミの管理(袋を確保)
  • マスク(感染症だけでなく乾燥・粉塵対策にも)

衛生は気合ではなく、道具と仕組みで守ります。


■⑥ 避難所での人間関係|揉めない人の共通行動

避難所で揉める原因は、正しさではなく“疲労”です。
揉めない人は次を徹底しています。

  • ルールは一回聞いてメモする
  • 不満は個人攻撃にしない(要望として伝える)
  • 音・匂い・子ども・ペットは「対策」で減らす
  • できる範囲で役割を持つ(孤立しにくい)

「迷惑をかけない」より「迷惑を減らす工夫」の方が現実的です。


■⑦ 家族・子ども・高齢者がいる場合|最初に決める3つの約束

家族連れは、避難所でバラバラになると不安が増幅します。
最初に3つだけ決めます。

1) トイレ・水・受付の場所を全員で共有
2) 連絡ルール(声が届かない前提で集合地点を決める)
3) 夜間の動き(子どもは必ず付き添い)

高齢者は「冷え」「脱水」「睡眠不足」で一気に崩れます。
水分と保温を早めに確保してください。


■⑧ やらなくていい防災|避難所で“頑張りすぎ”が危ない

避難所で頑張りすぎる人ほど倒れます。

  • 我慢して寝ない
  • 遠慮して水を減らす
  • 体調不良を隠す
  • 周囲に合わせ続ける

避難所は短距離走ではありません。
「体調を守ること」が最大の貢献です。


■⑨ 今日の最小行動|避難所で詰まないための“自分セット”を作る

避難所で困る人は「避難所で必要な物」を知らないだけです。
今日やる最小行動はこれだけで十分です。

  • 目・耳・腰を守る3点セットを準備(アイマスク/耳栓/簡易マット)
  • 衛生ミニセットを作る(除菌/マスク/ゴミ袋)
  • 家族の避難所ルールを1つ決める(集合場所)

これだけで、避難所のしんどさが大きく下がります。


まとめ

避難所で差が出るのは、到着後30分の動きです。

  • 避難所は「場所・情報・睡眠・衛生」を先に確保する
  • 場所選びは条件で決める(出入口・トイレ・通路を避ける)
  • 睡眠不足は体調を崩す最短ルート
  • 衛生は道具と導線で守る
  • 揉めないコツは“疲労を減らす工夫”
  • 家族は最初に3つの約束だけ決める
  • 今日の最小行動で避難所の負担は減らせる

避難所は運ではなく、最初の行動でラクになります。

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