- はじめに
- ■① 結論|備蓄は「量」より「回す」|ローリングストックが最強
- ■② 「3日分」だけで足りる?|答えは家庭条件で変わる
- ■③ 備蓄の優先順位|「水→熱→トイレ→食料→明かり→情報」
- ■④ 水の備え|家族が続ける現実解は「飲み水+生活用水」の二段構え
- ■⑤ 熱の備え|カセットコンロは「本体よりボンベ数」で決まる
- ■⑥ トイレの備え|簡易トイレは“数”が足りないと詰む
- ■⑦ 食料の備え|非常食より「普段の食材」で回す方が強い
- ■⑧ やらなくていい防災|備蓄で失敗しやすい“無駄な頑張り”
- ■⑨ 今日の最小行動|“標準セット”を「自分セット」に仕上げる3ステップ
- まとめ
- 備蓄は、不安を増やす作業ではなく、判断を軽くする仕組みです。
はじめに
備蓄は、たくさん買うほど安心――ではありません。
実際に大事なのは「切らさない仕組み」です。
元消防職員として現場を見て、被災地派遣(LO)でも生活支援の課題を見てきました。
そこで強く感じたのは、物資の量よりも「家庭内で回せる備え」を作っている人ほど、被災後に落ち着いていたということです。
この記事では、家族で無理なく続く“備蓄の作り方”を、順番で整理します。
■① 結論|備蓄は「量」より「回す」|ローリングストックが最強
備蓄で一番よくある失敗はこれです。
- まとめ買いして満足
- 期限切れで捨てる
- いざという時に食べ慣れてなくて食べられない
続く家庭は、例外なくこうしています。
- 普段食べる物を少し多めに買う
- 先に食べて、買い足して、回す
- 生活の一部として備える
つまり、備蓄は「イベント」ではなく「日常の運用」です。
■② 「3日分」だけで足りる?|答えは家庭条件で変わる
よく「3日分備えましょう」と言われます。
これは最低ラインとして大切です。
ただ現実には、
- 物流停止
- 停電・断水
- 道路寸断
- 感染症や避難所混雑回避で在宅継続
が重なると、生活は長引きます。
だから結論はこうです。
- まず3日分を作る
- 次に1週間分へ伸ばす
- でも“無理なく回る形”で増やす
無理して買い込むより、回る仕組みが強いです。
■③ 備蓄の優先順位|「水→熱→トイレ→食料→明かり→情報」
備蓄は全部揃えようとすると止まります。
順番を固定すると一気に進みます。
1) 水
2) 熱(温める・沸かす)
3) トイレ
4) 食料
5) 明かり
6) 情報(電源・ラジオ)
この順番は、災害種別が違っても崩れません。
生活が詰む原因の多くは「水」と「トイレ」です。
■④ 水の備え|家族が続ける現実解は「飲み水+生活用水」の二段構え
水は“飲む分だけ”だと足りなくなります。
最低限の考え方はこれです。
- 飲み水(優先)
- 生活用水(手洗い・簡易洗浄・トイレ補助)
飲み水は「1人1日3L」が目安としてよく使われます。
ただし体格・季節・発汗・高齢者の脱水リスクで必要量は変わります。
現実に続く方法は、
- ペットボトル水を「箱で1〜2ケース」常備
- 使ったら同じ量を買い足す
- 生活用水はポリタンク・風呂水・給水袋で補強
“飲み水を守る”だけで、家の安心度が跳ね上がります。
■⑤ 熱の備え|カセットコンロは「本体よりボンベ数」で決まる
食料を持っていても、温められないと体力が落ちます。
特に寒い時期は、温かいものが命綱になります。
最低限はこれです。
- カセットコンロ
- ガスボンベ(回数分)
- 小鍋・紙皿・割り箸(洗い物を増やさない)
現場で見たのは「食料はあるのに食べられない」状況です。
水が貴重になると、洗い物が最大の負担になります。
■⑥ トイレの備え|簡易トイレは“数”が足りないと詰む
断水時に最初に破綻するのはトイレです。
トイレが崩れると、生活の全てが崩れます。
最低限の考え方はこれです。
- 簡易トイレ(便器にかぶせる袋)
- 凝固剤(回数分)
- 消臭・衛生(袋、消毒、手洗い)
被災地派遣(LO)の現場では、トイレ環境が悪いだけで体調を崩し、避難生活の継続が難しくなる例を何度も見ました。
「我慢すればいい」の話ではなく、感染症や脱水にも直結します。
■⑦ 食料の備え|非常食より「普段の食材」で回す方が強い
非常食は便利ですが、頼りすぎると続きません。
続く形はこうです。
- レトルト・缶詰・フリーズドライを“普段用”として常備
- 米・麺・パックご飯を少し多めに回す
- 子ども用の食べ慣れた物を優先
- 甘い物・塩分・スープ系を入れる(メンタルと体温に効く)
災害時は食欲が落ちます。
食べ慣れた物があるだけで、家族の落ち着きが違います。
■⑧ やらなくていい防災|備蓄で失敗しやすい“無駄な頑張り”
備蓄が続かない理由の多くは、最初に頑張りすぎることです。
- いきなり完璧なリストを作る
- 高価な装備を揃える
- 一気に大量購入して管理できない
- 期限切れで自己嫌悪になる
必要なのは「続く形」です。
完璧より、回る仕組み。
■⑨ 今日の最小行動|“標準セット”を「自分セット」に仕上げる3ステップ
今日やることは3つだけでOKです。
1) 水を「家族人数×3日分」だけ確保する
2) カセットコンロ+ボンベを“回数ベース”で揃える
3) 簡易トイレを「3日分だけ」用意する
この3つが揃うと、備蓄が一気に“現実の安心”になります。
そのあとで、食料をローリングストック化すれば完成です。
まとめ
備蓄は「買うこと」より「回すこと」です。
- まず3日分、次に1週間へ
- 優先順位は水→熱→トイレ→食料→明かり→情報
- 水は飲み水+生活用水の二段構え
- 熱はボンベ数で決まる
- トイレは数が足りないと生活が詰む
- 食料は普段の物を回すのが最強
- 完璧より、続く仕組み
- 今日の最小行動で“自分セット”が完成する

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