キャンピングカー避難は「食の設計」で勝負が決まります。
非常食があっても、実際に食べられなければ意味がありません。
私は元消防職員として被災地派遣(LO)に入り、避難所でも車中泊でも、食が回らずに体調を崩す場面を何度も見ました。
特に多いのが「水が足りない」「加熱できない」「甘い物だけで胃が壊れる」という失敗です。
この記事では、キャンピングカーで“本当に回る”非常食ストック術を、実践だけに絞ってまとめます。
■① 結論|非常食は「回る設計」が9割
キャンピングカーの非常食は、次の3原則で決めると失敗しません。
1) 食べられる(口に入る・子どもも高齢者も食べる)
2) 回る(調理・ゴミ・洗い物が破綻しない)
3) 腐らない(温度変化・停電・長期化に耐える)
この3つを満たすと、避難生活のストレスが一段落ちます。
■② まず決める|「何日分」を狙うか
基本は2段構えです。
・即応3日(最優先)
・延長7日(現実ライン)
被災地では「3日で復旧する」より「1週間は生活が不便」の方が多いです。
キャンピングカーでも、給水・給油・補給が詰まると延長戦になります。
■③ キャンピングカー非常食の最強構成(7カテゴリ)
1) そのまま食べられる主食
・アルファ米(注水で食べられる)
・レトルトご飯
・缶詰パン
・クラッカー/ビスケット
水や火がなくても成立する主食があると、避難初動で崩れません。
2) そのまま食べられるタンパク源
・ツナ缶/サバ缶
・焼き鳥缶
・豆の缶詰
・プロテインバー(食べ慣れたもの)
避難所でも車中でも、タンパク質が入るだけで体力が保ちやすいです。
3) 体を守る“汁物・塩分”
・即席味噌汁(お湯がなくても濃いめで少量でも可)
・スープ(粉末)
・塩/梅干し
汗をかく季節は塩分が切れると一気にしんどくなります。
4) 子ども・高齢者の“食べられる枠”
・ゼリー飲料
・レトルトおかゆ
・柔らかい栄養補助食品
・いつものお菓子(安心の固定)
「食べられない」は、そのままメンタル崩壊に直結します。
5) 飲み物(甘いだけにしない)
・水
・経口補水系(必要に応じて)
・無糖のお茶
・コーヒー(嗜好品として少量)
被災地では甘い飲料だけで胃が荒れて食が落ちるケースがあります。
6) “回る”ための道具
・使い捨て皿/紙コップ
・スプーン/割り箸
・ゴミ袋(多め)
・キッチンペーパー
避難所で不足しがちだったのがこの類です。
洗い物が増えると、水が削られて別の問題が出ます。
7) メンタルを守る嗜好品
・チョコ
・飴
・小袋ナッツ
・フリーズドライ味噌汁
車内は閉鎖空間なので、気分転換の小ささが効きます。
■④ 重要|「水の消費量」を先に計算してから決める
キャンピングカー避難は、水が生命線です。
非常食は“水を食う”ものが混ざると破綻します。
・麺類(茹でる)
・乾麺(洗い物が増える)
・粉物(調理が長い)
水が十分ある場合以外は、初期は避けた方が安全です。
■⑤ 夏と冬で変える|温度で壊れる食を外す
夏
・チョコは溶ける
・油脂多めは胃が重い
・匂いが強いものは車内でしんどい
冬
・固いものは食べにくい
・温かい汁物が価値になる
・冷えで便秘が増える
季節で入れ替えるだけで、快適さが上がります。
■⑥ ローリングストックで「腐らせない」仕組み化
キャンピングカーの非常食は、買って置くだけだと腐ります。
回すならルールはシンプルが正解です。
・毎月1回、主食を2食分使う
・使った分だけ同じ種類を補充
・賞味期限は“前から使う”だけ
被災地でも、普段から食べている家庭ほど体調が崩れにくい印象があります。
■⑦ 失敗パターン(現場で多い)
・甘い物だけで食事が崩れる
・主食ばかりでタンパク不足
・水を使う食に偏って水が枯れる
・食器がなく配布物が食べにくい
・胃腸が弱い家族が最初に崩れる
避難生活は「健康が落ちた人から崩れる」ので、胃腸弱い人基準で組むのが安全です。
■やらなくていい防災(非常食編)
・高価な“最強セット”を一気買い
・食べたことのない非常食を大量に積む
・激辛・脂っこいもの中心
非常時ほど、体は普段通りの物を求めます。
“食べ慣れ”は立派な防災です。
■今日の最小行動
① キャンピングカーに「そのまま食べられる主食」を3食分入れる
② 使い捨て皿・紙コップ・スプーンを1セット追加する
③ タンパク源(缶詰)を3つ入れる
これだけで、初動の食は一気に安定します。
■まとめ
キャンピングカーの非常食は、量より設計です。
「食べられる・回る・腐らない」3原則で組めば、避難生活のストレスが大きく減ります。
非常食は栄養ではなく、判断力と体力を守る土台です。


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