【元消防職員・防災士が解説】資産形成も“ハザードマップ化”すると強くなる

防災の現場では、地域ごとに「洪水」「土砂災害」「津波」「地震」のリスクを可視化した“ハザードマップ”が整備されている。住民はそれをもとに避難経路や備蓄を決め、最悪の事態が起きても被害を最小限に抑える。

実は、資産形成にも同じ発想が使える。

ニュース1つで不安が揺れる人の多くは、自分の投資がどんな“リスク地帯”にあるのか把握できていない。防災で言えば、洪水区域のど真ん中にいるのに「なんとなく大丈夫じゃない?」と備えていない状態に近い。

そこで大事なのが、自分の投資のハザードマップ化。

・米国株100% → 洪水リスクの川沿い
・全世界株 → 洪水も地震も平均的にカバー
・米国+新興国 → 危険箇所はあるが成長の恩恵も大きい
・高配当株集中 → 津波リスクは低いが地震に弱い場所
・投資ゼロ、貯金だけ → 地震には強いが津波に弱い沿岸部

どれが悪い、ではなく「土地(投資方針)のクセを知る」ことが大切だ。

今回の米国株ニュースで動揺する人は、ハザードマップ上で“米国一極エリア”にいる証拠。ちょっとした揺れ(=ニュース)で大きく不安が出てしまうのは当然の反応だ。

逆に、全世界株を中心にしている人は、今回のニュースを見ても揺れない。防災で言えば「どの災害も平均的に耐える高台」に住んでいるようなものだ。

投資も防災も、不安ゼロを目指す必要はない。
必要なのは「不安を軽くする設計」だ。

たとえば、こう考えれば投資の不安は一気に小さくなる。

・米国が負けても → オルカンなら勝つ国が補う
・新興国が不調でも → 米国や欧州が支える
・個別のニュースで揺れても → 長期では誤差
・暴落が来ても → 時間が回復させてくれる

防災の備えも同じで、
「台風が来たらどうしよう…」 → 備蓄と避難ルートがあれば安心になる。

不安は、“備えがない時”にこそ大きくなる。

ニュースで心が揺れた人は、投資のハザードマップを一度描き直してみてほしい。分散と長期を軸にすれば、どんな時代になっても“生き残る資産”が作れる。

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