首相官邸で経済産業省出身官僚の重用が目立つというニュースが報じられました。経済成長を加速させる狙いがあるとされますが、この動きは防災とも無関係ではありません。経済政策は、インフラ整備・エネルギー供給・産業基盤の強化に直結し、国の“耐災害力”を左右するからです。防災士の視点から、構造的に整理します。
■① 経産官僚重用の意味
経済産業省は、産業政策・エネルギー政策・技術革新支援を担う中枢官庁です。その出身者を官邸中枢に配置することは、「成長戦略を軸に国を動かす」というメッセージでもあります。
経済成長を優先する体制づくりは、財政余力や産業競争力の強化を通じて国家基盤を強くする狙いがあります。
■② 成長戦略と防災の接点
一見すると経済政策と防災は別物に見えます。しかし、実際は深くつながっています。
・エネルギー供給の安定
・半導体や通信基盤の国内強化
・インフラ投資の拡大
これらは災害時の復旧スピードや供給網維持に直結します。供給力のある国は、危機にも強いのです。
■③ 安倍路線との共通点
安倍政権時代も、経産省出身者が政策立案の中枢を担いました。成長重視の政策運営は、経済の底上げを狙うものです。
ただし、防災士として感じるのは、経済成長が“実体”を伴うかどうかが重要だということです。数字だけでなく、地域のインフラや暮らしに反映される投資であるかが鍵になります。
■④ 経済基盤と災害対応力
被災地派遣で実感したのは、地域経済が疲弊していると復旧が遅れるという現実でした。
地元企業が減少し、建設業者や運送業者が不足している地域では、復旧工事や物資輸送に時間がかかります。経済力はそのまま災害対応力になります。
■⑤ 行政の本音と限界
経済政策は即効性があるように見えて、実際は長期戦です。国内投資や産業基盤の再構築は時間を要します。
行政側の立場で言えば、短期の景気対策と長期の構造改革を同時に進める難しさがあります。防災も同じで、「すぐ効く対策」と「時間をかける対策」を分けて考える必要があります。
■⑥ 私たちが意識すべきこと
国の成長戦略がどうであれ、家庭の備えは自分で築く必要があります。
・生活インフラの二重化
・地域コミュニティとの連携
・緊急資金の確保
経済政策を見守る一方で、足元の備えを整えることが重要です。
■⑦ 強い経済は強い防災基盤になる
経済成長が実体経済に波及し、地域投資やインフラ強化につながれば、防災力は確実に高まります。
自律型避難の考え方でも、国家依存だけでなく、地域・家庭単位での強さが不可欠です。国の政策は土台、最終的な安全は現場と生活にあります。
■⑧ 今日できる一歩
・地域の産業や企業を知る
・地元経済を支える消費行動を意識する
・家計と防災投資のバランスを見直す
経済ニュースを、防災目線で読み解く習慣を持つことが、生活防衛につながります。
■まとめ|経済戦略は“国の耐災害力”の設計図
経産官僚の重用は、成長加速への明確なメッセージです。しかし、真に重要なのは、その成長がインフラや供給力の強化に結びつくかどうかです。
結論:
経済基盤の強さは、そのまま災害に負けない国づくりにつながる。
被災地で見てきたのは、経済力のある地域ほど復旧が早いという現実でした。経済政策を“防災の土台”として見る視点も大切です。
【出典】内閣官邸ホームページ
https://www.kantei.go.jp/

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