消防学校は「体力勝負」と思われがちですが、実際の脱落要因はもっと本質的です。私は元消防職員として初任科を経験し、その後は被災地派遣やLO業務にも携わってきました。そこで痛感したのは、消防は“個人競技”ではなく“組織戦”だということです。今回は、消防学校で実際に多い脱落要因トップ3を、現場目線で解説します。
■① 協調性不足(約60%)|呼吸がズレると全員が崩れる
最も多いのが協調性不足です。
消防は号令・歩調・動作を完全に合わせる世界です。誰か一人のズレが「全組罰」につながることもあります。
・号令の遅れ
・返事の声量不足
・独断行動
被災地派遣でも、隊員同士の呼吸が合わないと安全確認が遅れます。消防学校は“合わせる訓練”の場です。個人の能力より、全体の統一を優先できるかが分かれ目になります。
■② メンタル崩壊(約25%)|理不尽さへの耐性
次に多いのがメンタル面です。
・理由が説明されない叱責
・繰り返される基本動作
・終わりが見えない訓練
これに耐えられず崩れる人がいます。
現場でも、想定外や理不尽は必ず起きます。私は災害現場で、疲労が限界でも淡々と動き続ける先輩を見ました。消防学校は「精神の持久力」を鍛える場でもあります。
■③ 規律違反(約10%)|生活管理ができない
規律違反は少数に見えて致命的です。
・内務不備
・時間管理の失敗
・整理整頓不足
消防は時間と規律の世界です。集合に遅れる=現場で遅れる。装備の乱れ=事故につながる。
元消防職員として断言できますが、規律は形式ではなく安全装置です。
■④ 防災士から見た「誤解されがちポイント」
「体力があれば乗り切れる」というのは誤解です。実際に多かった失敗は、協調性と生活管理でした。
防災士としても感じるのは、災害対応で最後まで動けるのは“チームに溶け込める人”です。
■⑤ 協調性は訓練で身につく
協調性は性格ではなく、習慣です。
・グループ行動を増やす
・返事を即答する
・相手の動きを見る癖をつける
入校前から意識すれば差がつきます。
■⑥ メンタル耐性の鍛え方
・徹夜明け想定で軽運動
・怒られる場面をイメージ
・失敗後の立て直しを練習
理不尽を「訓練」と受け取れるかが分かれ目になります。
■⑦ 規律は生活から整える
・毎朝同じ時間に起きる
・部屋を5分で整える
・5分前行動を徹底
消防学校は特別な場所ではありません。日常の延長線上です。
■⑧ 今日からできる最小行動
・返事は即・大きく
・時間前集合を習慣化
・誰かに合わせる意識を持つ
準備は今日からできます。
■まとめ|脱落は体力ではなく“姿勢”で決まる
消防学校の脱落要因トップ3は、協調性不足・メンタル崩壊・規律違反です。体力よりも「姿勢」が問われます。
結論:
消防は個人の強さより、組織に適応できる力がすべて。
元消防職員として伝えたいのは、入校前の準備で結果は大きく変わるということです。基礎を整えて臨めば、初任科は必ず乗り越えられます。
【出典】総務省消防庁
https://www.fdma.go.jp/

コメント