【防災士が解説】停電で本当に困るのは「冷暖房」だった——“電力確保”を家庭の備えに組み込む方法

防災

災害の備えというと、まず水・食料・懐中電灯を思い浮かべる人が多いはずです。
ただ、停電が起きた瞬間から「生活の質」と「体調」が一気に落ちるポイントがあります。それが冷暖房です。

私自身、災害対応や被災地での支援現場では、物資が届いても“暑さ寒さ”のストレスだけは最後まで残りやすいのを何度も見てきました。体力と気力を削られると、判断力が落ち、持病が悪化し、睡眠も崩れます。停電対策は「便利」のためではなく、健康と命のための備えです。


目次

  • ■① なぜ停電で「冷暖房」が最優先になるのか
  • ■② 暑さ・寒さは“体調悪化スイッチ”になる
  • ■③ 家庭の停電対策が止まりやすい理由
  • ■④ まず決めるべきは「守る部屋」を1つに絞ること
  • ■⑤ 冷房が止まった時の“今日からできる”対策
  • ■⑥ 暖房が止まった時の“今日からできる”対策
  • ■⑦ 電力確保は「全部を動かす」より「必要最小限を長く」
  • ■⑧ 迷ったらこの結論:空調の代替手段を“家庭の仕様”にする
  • ■まとめ

■① なぜ停電で「冷暖房」が最優先になるのか

停電時に困るものは多いですが、冷暖房は「我慢すればいい」類ではありません。
暑さ寒さは、体力を奪うだけでなく、体温調節が苦手な子ども・高齢者・持病のある人に直結します。

被災現場では、食料が確保できても、暑さで眠れず脱水が進んだり、寒さで血圧が乱れて体調を崩したりするケースが目立ちます。空調が使えない時間が伸びるほど、家庭内の消耗が加速します。


■② 暑さ・寒さは“体調悪化スイッチ”になる

夏は、汗をかけない・水分が取れない・風がない、の三重苦が重なると一気に危険域へ入ります。
冬は、冷えが続くと睡眠が浅くなり、免疫が落ち、血圧や喘息などの悪化につながりやすくなります。

現場で感じるのは、「体調が崩れると、備えがあっても使いこなせなくなる」という事実です。だからこそ、空調に代わる手段を“最初から家庭の備えに組み込む”のが大事です。


■③ 家庭の停電対策が止まりやすい理由

多くの家庭は、停電対策を「モバイルバッテリー」までで止めがちです。
スマホが生きていると安心する一方で、暑さ寒さを防げる電力(扇風機・電気毛布・簡易暖房など)まで想定できていないことが多いです。

【元消防職員・防災士】として言い切るなら、停電対策は“通信の確保”だけでは不十分で、体調維持まで含めて初めて完成します。


■④ まず決めるべきは「守る部屋」を1つに絞ること

災害時に家全体を快適にするのは無理です。
最初にやるべきは「この部屋だけは守る」という“生活の拠点”を1つ決めることです。

  • 夏:風が通る部屋、日射が少ない部屋
  • 冬:窓が少なく、家族が集まりやすい部屋

現場では、拠点が決まっている家庭ほど、少ない物資でも落ち着きが早いです。逆に、家族がバラバラになるほど、電力も体力も消耗します。


■⑤ 冷房が止まった時の“今日からできる”対策

冷房が止まった時に効くのは「体から熱を逃がす仕組み」を先に作ることです。

  • 遮熱:カーテン・段ボール・アルミシートで日射を切る
  • 風:手回し・電池式・USB扇風機を拠点部屋に集中配置
  • 冷却:濡れタオル+風(気化熱)を使う
  • 休む:暑い時間帯は無理に動かず“動かない避難”で体力温存

被災地では、冷房の代わりに「遮熱+風」だけで体調が守れた家庭が多いです。逆に、動き回って汗をかき続けた人ほど消耗が早い印象があります。


■⑥ 暖房が止まった時の“今日からできる”対策

冬は「部屋を温める」より先に「体温を落とさない」が優先です。

  • 断熱:窓に段ボール、床に毛布やマットで冷気を遮る
  • 着る:重ね着は“首・手首・足首”を守る
  • 寝る:寝具の下に断熱(銀マット・段ボール)を入れる
  • 集まる:家族は拠点部屋に集まって熱を共有する

現場でよくあるのが、「暖房がない」より「冷えた床・冷えた窓」から体温が奪われるパターンです。断熱は地味ですが効きます。


■⑦ 電力確保は「全部を動かす」より「必要最小限を長く」

停電対策は“フル装備”を目指すより、必要最小限を長く回す設計が強いです。

優先順位はこの順で考えるとブレません。
1) 体調維持(暑さ寒さ対策)
2) 情報(スマホ・ラジオ)
3) 衛生(トイレ・手洗い)
4) 食(最低限の保存と調理)

被災地対応では、体調が守れている人ほど、情報収集や片付け、近所との助け合いまで回る余力が残ります。結局、停電対策は“生活の回復速度”を左右します。


■⑧ 迷ったらこの結論:空調の代替手段を“家庭の仕様”にする

停電は、いつ起きるか分かりません。
だからこそ、買う・備える以前に「停電になったら、誰が、どの部屋で、何を使うか」を家族で固定化しておくのが最大の対策です。

  • 守る部屋(拠点)を決める
  • そこに遮熱・断熱・風・寝具を集約する
  • 電力は“空調代替”に優先配分する

この設計ができている家庭は、停電が来てもパニックになりにくいです。備えは物ではなく、迷わない仕組みです。


■まとめ

停電で一番困るのは、想像以上に「冷暖房」です。
暑さ寒さは、体調と判断力を削り、家庭の回復力を落とします。だからこそ、停電対策は“電力確保”を前提に、守る部屋を決め、空調の代替手段を家庭の仕様として組み込むことが重要です。 oai_citation:0‡プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

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