災害は、地震や豪雨だけがリスクではありません。混乱や不安が広がるとき、人の弱さにつけ込む犯罪も増えます。日本政府が組織犯罪対策として最大5億円規模の国際支援を行うと報じられました。これは海外の話のようでいて、実は私たちの防災と深くつながっています。今回は「災害と犯罪」という見落とされがちな視点から、家庭でできる備えを整理します。
■① 政府が最大5億円支援へ──何が起きているのか
報道によると、日本政府は国連機関を通じて、東南アジア地域での組織犯罪対策強化に最大5億円規模の援助を行う方針です。特殊詐欺などの拠点が海外に移っている現状を踏まえ、国際的な取り締まり体制を強化する狙いがあります。
国内で被害が増える特殊詐欺は、海外拠点と結びつくケースも少なくありません。外から断つ対策は、国内の被害減少にも直結します。
■② なぜ「防災」と関係があるのか
災害が発生すると、次のような状況が起きます。
・情報が錯綜する
・支援制度が次々に発表される
・被災者は早く生活を立て直したい
・高齢者や独居世帯が孤立しやすい
この混乱に便乗し、「支援金の手続き代行」「保険金がすぐ下りる」などと持ちかける詐欺が増えます。実際、東日本大震災では便乗詐欺が204件発生し、被害総額は約19億円にのぼったとされています。災害と犯罪は決して無関係ではありません。
■③ 実際に多い災害便乗型の手口
防災士として被災地支援に関わった際、次のような相談がありました。
・修理業者を名乗る突然の訪問
・「公的支援の申請代行」と称する高額手数料
・義援金を装った偽サイト
・家族を装う緊急連絡詐欺
最近では、能登半島地震の支援を名目に「義援金を集めている」と偽り、個人名義の口座に振り込ませるケースも報じられました。
防災士から見た実際に多かった失敗は、「急がないと損をする」と思い込んでしまうことです。災害直後は判断力が落ちやすく、冷静さを失いやすい。それを前提に備えることが大切です。
■④ 迷ったらどうする?基本の判断軸
詐欺対策は難しい知識よりも「止める勇気」です。
・電話や訪問で即決しない
・個人情報や口座情報を渡さない
・公的機関は自分で調べた番号に折り返す
・契約は家族と相談してから
防災士として現場で見た“誤解されがちポイント”は、「災害時は特別だから例外的対応が必要」という思い込みです。実は、平時より慎重になるべきなのです。
■⑤ 行政側が言いにくい本音
防災士として感じた行政側が言いにくい本音があります。それは「すべてを行政が守れるわけではない」という現実です。
支援制度はありますが、すぐに全員へ行き届くとは限りません。だからこそ、自分と家族を守る“自律型避難”の考え方が重要になります。情報を自分で確認し、判断し、動ける力が防災力です。
■⑥ 家族で決めておく3つのルール
今日からできる簡単な備えです。
1.家族の合言葉を決める
2.自治体公式サイトをブックマークする
3.警察相談専用電話「#9110」を登録する
これだけでも被害リスクは大きく下がります。
■⑦ 心の防災も忘れない
災害時は不安が大きくなります。不安が大きいほど判断を誤りやすくなります。
日頃から情報を整理し、家族で共有しておくことは「心の防災」でもあります。慌てない準備は、詐欺だけでなくあらゆる二次被害を防ぎます。
■⑧ 災害後を守るのも防災
防災というと、ヘルメットや備蓄品を思い浮かべがちです。しかし、生活再建まで見据えるのが本当の備えです。
災害後に冷静に行動できる力が、家族の未来を守ります。犯罪対策もまた、防災の一部なのです。
■まとめ|災害時こそ「止める力」が命を守る
政府の国際的な組織犯罪対策強化は、国内被害を減らすための重要な動きです。しかし、最前線で自分を守れるのは自分自身です。
結論:
災害時ほど即決せず、止めて確認することが最大の防災対策です。
被災地対応を経験した防災士として強く感じるのは、「焦らなかった人ほど被害を防げた」という事実です。備えとは物だけでなく、判断力を守ることでもあります。

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