【防災士が解説】子どもとキャンピングカーで避難する防災準備|不安・暑さ寒さ・退屈を減らす「家族設計」

キャンピングカー避難は、子どもにとって「安心の拠点」になりやすい反面、準備が甘いと一気にしんどくなります。
被災地の避難所でも、子どものストレスは“泣く・眠れない・トイレを我慢・食べられない”として表面化し、家族全体の体力と判断力を削っていきました。
車内避難は避難所より自由度が高い分、最初に「ルール」と「配置」を作るほど、家族が落ち着きます。

目次

  • ■① まず結論:子ども対策は「体調・衛生・安心・退屈」の4本柱
  • ■② 体調を守る:暑さ寒さ・脱水・酔いの先回り
  • ■③ 衛生を守る:トイレ・手洗い・着替えの現実ライン
  • ■④ 安心を守る:迷子・不安連鎖・夜の恐怖を切る
  • ■⑤ 退屈を守る:遊びは“静かに・短く・繰り返せる”が正解
  • ■⑥ 車内の配置:取り出しやすさが9割(子どもでも分かる)
  • ■⑦ 家族ルール:揉めないための最低限の決め事
  • ■⑧ 今日の最小行動:15分で「子ども避難セット」を完成させる
  • ■結語

■① まず結論:子ども対策は「体調・衛生・安心・退屈」の4本柱

子ども連れの避難準備は、物を増やすより「困る順に揃える」ほうが強いです。

  • 体調:暑さ寒さ、脱水、車酔い、眠気
  • 衛生:トイレ、手拭き、着替え、ニオイ
  • 安心:暗闇、余震、家族が離れる不安
  • 退屈:待つ時間、騒音、周囲への気遣い

避難所でも車内でも、子どもは“我慢が長く続く環境”に弱いです。大人の根性論は通用しません。


■② 体調を守る:暑さ寒さ・脱水・酔いの先回り

子どもの体調は崩れると早いので、先回りが最重要です。

暑さ(夏・停電時)

  • 飲料(こまめに少量ずつ)+経口補水液(使い分け)
  • 冷却タオル/瞬間冷却剤(首・わき・足の付け根)
  • うちわ/小型扇風機(電池式も確保)
  • 日よけ(窓の遮光、サンシェード、簡易カーテン)

被災地の現場では「エアコンが効かない」「人が多くて熱がこもる」で、子どもの不調が一気に増えました。車内は密閉しやすいぶん、換気と日よけが効きます。

寒さ(冬・夜)

  • 子ども用の保温(フリースより“重ね着+風を止める”)
  • 寝袋 or ブランケット+マット(床・シートの冷えを遮断)
  • 使い捨てカイロ(低温やけど注意:直接肌に貼らない)

車酔い・食欲低下

  • 酔い止め(年齢制限・用法は必ず確認)
  • 消化に負担が少ない軽食(ゼリー、クラッカー等)
  • 口を潤す飴・ラムネ(誤嚥に注意、年齢に合わせる)

■③ 衛生を守る:トイレ・手洗い・着替えの現実ライン

子どもは衛生ストレスで一気に不機嫌になります。車内避難はここが勝負です。

  • 子ども用簡易トイレ(失敗しにくい姿勢・サイズ)
  • 凝固剤+消臭袋(ニオイ対策が精神を守る)
  • ウェットティッシュ/アルコール(手と口周りを最優先)
  • 着替えは“下着+靴下”を厚めに(快適度が跳ね上がる)
  • 汚れ物を分ける袋(清潔ゾーンを守る)

被災地で多かったのは、トイレを我慢→体調悪化→泣く→親も限界、の流れです。トイレは「早めに行ける仕組み」を作るだけで劇的に変わります。


■④ 安心を守る:迷子・不安連鎖・夜の恐怖を切る

子どもの不安は、大人の不安を増幅させます。逆も同じです。

  • 連絡カード(紙):子どものポケットに入れる(氏名・連絡先)
  • ライトは子ども用に1つ:ボタン1つで点くもの(弱モード)
  • 夜のルール:暗闇にしない(足元灯を弱で常時)
  • “家族が離れたら”の合流地点:車の周囲で固定(例:右側ドア)

私は被災地派遣(LO)で、家族が別々に動いて情報が食い違い、不安が連鎖する場面を何度も見ました。子どもは「次に何をするか」が分かるだけで落ち着きます。


■⑤ 退屈を守る:遊びは“静かに・短く・繰り返せる”が正解

車内避難は待つ時間が長いです。子どもの退屈はトラブルの火種になります。

おすすめは「短く回せる」もの

  • 塗り絵/小さなノート
  • シール遊び
  • しりとりカード/クイズ
  • 絵本(読み聞かせは安心にも効く)
  • イヤーマフ/耳栓(騒音が苦手な子に)

避難所でも、子どもの「音・視線・匂い」ストレスが積み上がっていました。車内は遮れる分、落ち着く環境を作れます。


■⑥ 車内の配置:取り出しやすさが9割(子どもでも分かる)

子ども関連は“子どもゾーン”を作るのが最強です。

  • 子どもセットは 1箱(1バッグ)に集約
  • 位置は 座席の足元 or 手が届く棚
  • ラベルは 絵(トイレ・水・おやつ・着替え) で分かるように
  • “今使う”は上段、“予備”は下段

現場では「持っているのに出せない」が一番多い失敗です。探す行為がストレスになります。


■⑦ 家族ルール:揉めないための最低限の決め事

決めるのは多くなくていいです。これだけで十分です。

  • トイレは 我慢させない(早めに行く)
  • 水分は 時間で区切って飲む(例:30〜60分ごと)
  • 夜は ライト弱で常時点灯
  • 1日1回 “今日の予定”を子どもに説明(安心が増える)

■⑧ 今日の最小行動:15分で「子ども避難セット」を完成させる

今日やることはこれだけでOKです。

1) バッグ1つ用意(子ども専用)
2) 「水」「おやつ」「着替え(下着・靴下)」「トイレ(凝固剤・袋)」「ウェット」だけ入れる
3) 連絡カードを作って入れる
4) 子ども用ライトを1つ入れて、点灯練習する

これで“子どもが崩れて親も崩れる”連鎖を止めやすくなります。


■結語

子ども連れの車内避難は、特別な高級装備より「体調・衛生・安心・退屈」を崩さない設計が効きます。
被災地の現場では、子どもの不調が家族全体の判断力を削り、結果的に危ない選択につながることがありました。
キャンピングカーの強みは、落ち着ける環境を自分で作れることです。まずは専用バッグ1つから仕上げてください。

【出典】内閣府 防災情報のページ「家庭での備え(備蓄など)」https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/sonae/

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