【防災士が解説】子どもとキャンピングカーで避難する防災準備|泣く・眠れない・退屈を想定して「家族の崩れ」を防ぐ

キャンピングカー避難は、避難所が満員でも“居場所”を確保しやすい選択肢です。
ただし、子ども連れの場合は「装備が揃っているのに崩れる」ことが起きます。理由は物資不足ではなく、泣く・眠れない・退屈・不安・衛生の積み重ねです。
被災地の現場でも、家族が疲れてくるほど“小さな困りごと”が連鎖し、判断が乱れていきました。子どもと一緒の避難は、道具より順番で決まります。

目次

  • ■① 結論:子ども連れ車中避難は「体調・衛生・安心」の順で整える
  • ■② まず固める3本柱:水分・体温・トイレ
  • ■③ 子どもが落ち着く“見える安心”セット
  • ■④ 食事:温められない前提で組む(アレルギーも)
  • ■⑤ 睡眠:狭い車内で眠らせる工夫(音・光・温度)
  • ■⑥ 衛生:感染症と皮膚トラブルを防ぐ最小装備
  • ■⑦ 退屈・不安:遊びは「静か」「軽い」「繰り返せる」
  • ■⑧ 出発前に必ずやること:家族のルール固定(迷いを消す)
  • ■結語

■① 結論:子ども連れ車中避難は「体調・衛生・安心」の順で整える

結論は、優先順位を間違えないことです。

1) 体調(脱水・低体温/熱中症・便秘/下痢)
2) 衛生(手洗い・排泄・汚物処理)
3) 安心(眠れる・落ち着く・退屈しない)

おもちゃや便利グッズから揃えると、肝心の体調と衛生が後回しになり、結果的に家族の余裕が消えます。


■② まず固める3本柱:水分・体温・トイレ

子ども連れ避難で最初に破綻しやすいのは、ここです。

水分

  • 飲料(子どもが飲める味・温度)
  • 経口補水液(下痢・発熱・暑さに備える)
  • ストロー付きボトルやコップ(こぼさない)

体温

  • 夏:冷却シート、冷却タオル、うちわ、日よけ
  • 冬:ブランケット、毛布、断熱マット、帽子・靴下

トイレ

  • 子ども用のサイズ感(簡易便座・おまる系)
  • 凝固剤+袋(回数に余裕を持つ)
  • おしりふき・消臭袋

トイレが崩れると、車内が一気にストレス空間になります。最優先で整える価値があります。


■③ 子どもが落ち着く“見える安心”セット

子どもは「先が見えない」ほど不安になります。
“見える安心”は、効果が大きいです。

  • いつものタオル・小さな毛布(匂いが落ち着く)
  • いつものぬいぐるみ・小物(1つでいい)
  • 家族写真の小カード(スマホが使えない時の安心)
  • 名前・連絡先カード(迷子対策)

現場でも、いつもの物がある子は落ち着きやすく、家族全体の消耗が減っていました。


■④ 食事:温められない前提で組む(アレルギーも)

キャンピングカーでも、状況によっては火が使えない・使わない方が安全な場面があります。

“加熱なし”を主力にする

  • パウチの主食(おにぎり系、パン、クラッカー)
  • ゼリー飲料、栄養補助食品
  • 缶詰・レトルト(温めなくても食べられるもの)

アレルギーがある場合

  • 代替食を最優先で確保
  • 成分表示が明確なものを選ぶ
  • 1〜2週間分を目安に(避難先で手に入らない想定)

子どもが食べられないと、避難の持久力が一気に落ちます。


■⑤ 睡眠:狭い車内で眠らせる工夫(音・光・温度)

眠れない夜が続くと、子どもは不機嫌になり、大人も判断力が落ちます。

睡眠の工夫

  • 目隠し(簡易カーテン・アイマスク)
  • 耳(イヤーマフや耳栓は子どもの年齢に合わせて)
  • 温度(夏は通気、冬は断熱+保温)
  • 体の痛み(マットで硬さを減らす)

「寝床の硬さ」と「暑さ寒さ」は、車中避難の疲労を増幅させます。最初に対策しておくと安定します。


■⑥ 衛生:感染症と皮膚トラブルを防ぐ最小装備

子どもは皮膚トラブルが起きやすく、悪化すると機嫌も体調も崩れます。

最小装備

  • 手指消毒(アルコールが合わない子は注意)
  • ウェットティッシュ・おしりふき
  • 使い捨て手袋
  • ゴミ袋(汚物用は別に)
  • 着替え(下着は多め)
  • 簡単な洗面セット

「清潔が保てる」だけで、避難生活のストレスは目に見えて減ります。


■⑦ 退屈・不安:遊びは「静か」「軽い」「繰り返せる」

子どもの遊びは、豪華さより条件が大事です。

おすすめ条件

  • 静か(車内で迷惑にならない)
  • 軽い(場所を取らない)
  • 繰り返せる(飽きにくい)

  • シール遊び、ぬりえ、小さな絵本
  • 折り紙、カード、簡単なパズル
  • “一緒にやる”遊び(会話が増え不安が減る)

不安が強い時ほど、子どもは「一緒にいる」ことで落ち着きます。


■⑧ 出発前に必ずやること:家族のルール固定(迷いを消す)

子ども連れ避難は、迷いが増えるほど疲れます。
先に決めておくと強い項目はこの3つです。

  • どこに避難するか(候補を2つ)
  • いつ出るか(トリガーを明確に)
  • 連絡手段(集合場所・役割分担)

被災地の現場でも「家族でルールが決まっていた家庭」は、混乱が少なく、疲労が溜まりにくい傾向がありました。


■結語

子どもと一緒のキャンピングカー避難は、装備の豪華さではなく“崩れない順番”で決まります。
水分・体温・トイレを固め、衛生を維持し、眠れる環境を作る。そこまで整うと、子どもの不安が減り、家族の判断が安定します。
避難生活は「我慢」ではなく「継続」です。家族が続けられる形にしておくことが、命を守る強さになります。

【出典】内閣府 防災情報「災害時における避難生活の支援(避難所運営等)」https://www.bousai.go.jp/

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