夏の避難は「水さえ飲めば大丈夫」と思われがちですが、実際は体に熱がこもる環境が続くと、気づかないうちに熱中症が進みます。
キャンピングカー避難は避難所より自由度が高い一方で、狭い車内・日射・換気不足・夜間の寝苦しさが重なると、家族全員が一気に消耗します。
被災地の避難所支援でも、空調が弱い環境で高齢者が急にぐったりしたり、子どもが頭痛や吐き気を訴えたりする場面がありました。暑さ対策は「贅沢」ではなく、命を守る装備です。
目次
- ■① 結論:夏の避難は「日射遮断・体を冷やす・水分塩分」の3点セット
- ■② まず危険を見抜く:熱中症は“暑い日中”より“夜と翌朝”に崩れる
- ■③ 熱中症対策グッズ:優先順位つき必須リスト
- ■④ 車内での冷やし方:冷却は「首・脇・鼠径部」が効く
- ■⑤ 高齢者・子どもは別設計:サインと対処の基準を先に決める
- ■⑥ 断水・停電でも回る運用:氷がない前提で組む
- ■⑦ “やらないこと”リスト:危険な我慢・危険な冷やし方
- ■⑧ 今日の最小行動:30分で夏仕様に切り替える
- ■結語
■① 結論:夏の避難は「日射遮断・体を冷やす・水分塩分」の3点セット
夏の避難で必要なのは、気合ではなく設計です。
やることは3つだけ。
1) 日射を遮断して、車内温度の上昇を抑える
2) 体にこもった熱を“確実に”逃がす
3) 水分だけでなく塩分もセットで補給する
この3点が揃うと、同じ気温でも消耗がまったく違います。
■② まず危険を見抜く:熱中症は“暑い日中”より“夜と翌朝”に崩れる
熱中症は「昼に倒れる病気」だけではありません。避難生活ではこうなりがちです。
- 日中に暑さを我慢して体温上昇
- 夜は寝苦しく睡眠不足
- 翌朝、だるさ・食欲低下・頭痛で動けない
キャンピングカー避難でも、夜間に車内が蒸れると回復できません。
「夜を涼しくする」ことが、翌日の安全につながります。
■③ 熱中症対策グッズ:優先順位つき必須リスト
買い足しの優先順位で並べます。
最優先(命を守る3点)
- 飲料水(飲む用+体を冷やす用を分けて考える)
- 経口補水液(または塩分補給できる飲料)
- 冷却用品(冷却タオル・冷却シート・瞬間冷却剤など)
すぐ効く(体温を下げる)
- 小型扇風機(乾電池式・充電式どちらか一方ではなく、止まった時の逃げ道を作る)
- うちわ・扇子(電源ゼロでも確実に効く)
- 日よけ(サンシェード、遮光カーテン、タープ)
避難生活を崩さない(継続装備)
- 汗拭きシート・ウェットティッシュ(皮膚トラブルを防ぐ)
- 速乾タオル・着替え(濡れたままは体調が崩れる)
- 体温計(“なんとなく”をやめる)
■④ 車内での冷やし方:冷却は「首・脇・鼠径部」が効く
全身を冷やそうとすると水も体力も足りません。効率重視でいきます。
- 首(頸動脈)
- 脇の下
- 鼠径部(足の付け根)
冷却タオルや冷却剤は、この3点に当てると体感が早いです。
顔や手先だけ冷やしても体温は下がりにくいので、当て場所を固定します。
■⑤ 高齢者・子どもは別設計:サインと対処の基準を先に決める
高齢者は暑さを感じにくく、子どもは症状をうまく言えません。被災地でもここが一番怖いポイントでした。
要注意サイン
- ぼーっとする、返事が遅い
- 頭痛、吐き気、食欲低下
- 汗が止まる、または異常に汗だく
- 皮膚が熱い、顔が赤い
家庭内ルール(例)
- 「頭痛か吐き気が出たら、すぐ冷却+補水」
- 「高齢者は“我慢していないか”を時間で聞く(1〜2時間ごと)」
- 「子どもは顔色・機嫌・眠気で判断する」
■⑥ 断水・停電でも回る運用:氷がない前提で組む
氷や冷蔵が使える前提は、災害では崩れます。
だから「氷がなくてもできる冷却」を主軸にします。
- うちわ+濡れタオル(蒸発冷却)
- 日陰づくり(タープ・日よけ)
- 風の通り道を作る(窓の開け方を工夫)
- 体を冷やす場所を固定(首・脇・鼠径部)
瞬間冷却剤は、氷がない状況で一気に冷やす“切り札”として有効です。
■⑦ “やらないこと”リスト:危険な我慢・危険な冷やし方
- 「汗かけば慣れる」と我慢し続ける
- 水だけ飲んで塩分を入れない(だるさが増える)
- 子どもを車内に残す(短時間でも温度が跳ねる)
- 高齢者の「大丈夫」を鵜呑みにする
- 冷却を顔だけで済ませる(体温が下がらない)
避難生活は疲れて判断が遅れます。遅れないルールを先に作っておくのが安全です。
■⑧ 今日の最小行動:30分で夏仕様に切り替える
- 日よけを設置して直射日光を遮る
- うちわ・扇子を“すぐ取れる場所”に固定
- 冷却用品を首・脇・鼠径部に当てる前提でまとめる
- 経口補水液(または塩分補給)を家族の分だけ確保
- 高齢者・子どものサインを家族で共有する
暑さ対策は「体力の節約」です。体力が残れば、判断が残ります。
■結語
夏のキャンピングカー避難は、日射遮断・体を冷やす・水分塩分の3点セットで安全度が上がります。
熱中症は気合では防げません。ルールと装備で“倒れない環境”を作るのが最短です。
【出典】環境省 熱中症予防情報サイト https://www.wbgt.env.go.jp/

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