【元消防職員・防災士が解説】冬の停電が起きた瞬間にやるべき行動

冬の停電は、ただ暗くなるだけでは終わらない。
暖房が止まり、室温が急激に下がり、家全体が“命の危険ゾーン”に変わる。

停電そのものより怖いのは、
「寒さ」「暗さ」「情報遮断」が同時に襲うこと。
この3つが重なると、特に高齢者や子どもはすぐ体調を崩してしまう。

ここでは冬の停電が発生した直後に、家庭で取るべき行動をまとめる。

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■① まず“寒さの逃げ場”をつくる
暖房停止の10〜20分で、室温は一気に低下する。
最初にやるべきは部屋の防寒対策。

・カーテンを閉める
・扉を閉じて暖かい部屋に集まる
・毛布・布団・コートを出す
・カイロを配る

この初動で、低体温症のリスクが大幅に下がる。

■② 明かりを確保する
暗闇の室内はケガや転倒の原因になる。
停電時は必ず“足元の安全”を先に確保する。

・LEDランタン
・ヘッドライト
・スマホライト(予備バッテリー必須)

ろうそくは転倒火災が多発するため使わない。

■③ スマホのバッテリーを節約する
冬の停電は復旧まで時間がかかることも多い。
スマホの電池を確保できるかが“避難判断の命綱”になる。

・低電力モード
・画面の明るさを最小
・不要なアプリ終了
・モバイルバッテリーを準備
・Wi-Fiが止まったら4G/5Gに切り替え

■④ 冬特有の“凍結トラブル”に注意
停電で給湯器やポンプが止まると、
地域によっては水道が凍結する可能性がある。

・蛇口を少し開け水を流す
・水をバケツに確保しておく

特に寒冷地では必須。

■⑤ 電気復旧時の“通電火災”が一番危険
冬の停電で最も多いのが、復旧時に起きる火災。

停電中に
・ストーブ
・こたつ
・電気毛布
などが「オン」のままになっていると、
電気が戻った瞬間に発火するケースがある。

必ずブレーカーを“OFF”にしておく。

■⑥ 外出は慎重に
冬の停電は、信号停止・道路凍結が重なり事故が増える。
不要不急の外出は避けた方が安全。

特に
・降雪
・積雪
・凍結
が重なる地域では、避難行動も難しくなる。

■⑦ 最後に
冬の停電が危険なのは、寒さが“命を奪う速度”で迫ってくるから。
しかし、家庭での準備と初動次第でリスクは確実に下げられる。

・暖房停止後すぐの寒さ対策
・暗闇を避ける照明準備
・スマホ電池の確保
・通電火災の予防

この4つだけでも、冬の停電は乗り越えられる。

家族を守る力は、日々の備えで確実に積み上がる。

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