政治の大きな節目が報じられると、「災害対応は大丈夫なのか」と不安になる方もいます。結論から言えば、内閣が総辞職しても災害対応が止まらないよう、制度は設計されています。ただし、報道の具体的な内閣名や人事の詳細は、必ず首相官邸などの一次情報で確認することが重要です。ここでは、制度の基本と、私たちが今日できる備えを整理します。
■① 内閣総辞職でも災害対応が止まらない理由
日本国憲法および災害対策基本法に基づき、災害対応は内閣の存続有無にかかわらず継続される仕組みになっています。総辞職後も新内閣が成立するまでの間、行政は継続して職務を行います。
災害対策は、法律・マニュアル・常設組織によって運用されています。トップの交代があっても、即座に機能が停止する設計ではありません。これは制度としての安全装置です。
■② 不確かな政治情報と災害情報を切り分ける
政治の節目では、SNSや断片的な報道が拡散しやすくなります。特に内閣名や人事の詳細は、一次情報(首相官邸発表、官報、信頼できる報道機関の続報)で確認することが大切です。
災害情報については、次の3つに入口を固定するのが安全です。
・自治体公式サイトの防災ページ
・自治体公式SNS
・気象庁などの公的機関情報
被災地では「誤情報が先に広がる」ことで混乱が起きます。政治のニュースと災害情報は、受け取る窓口を分けるのが基本です。
■③ 災害で最も困るのは“連絡不全”
制度が機能していても、家庭内の連絡が取れなければ判断が遅れます。現場で繰り返し見たのは、「家族の所在確認に時間を取られ、避難が遅れる」ケースです。
今日できる最小行動:
・家族の集合場所を決める
・緊急連絡先を紙で1枚用意する
・災害用伝言板の使い方を共有する
これは制度とは無関係に、家庭で完結できる備えです。
■④ 避難判断は“政治の空気”ではなくハザードで決める
災害時の避難は、政権の動向ではなく、あなたの居場所のリスクで決まります。
判断基準は一つで十分です。
「ハザードマップで危険区域にいる場合、警戒レベルが上がったら早めに移動する」
被災地では、「様子見」が最も多い失敗でした。政治状況よりも、地域リスクを優先することが命を守ります。
■⑤ 72時間を家庭で回せる設計
行政の支援は全力で行われますが、道路寸断や停電が重なると時間がかかります。最初の72時間を家庭で回せる設計が重要です。
最低限の備え:
・水(1人1日3L×3日)
・簡易トイレ
・モバイルバッテリー
・防寒/防暑対策
被災地派遣の経験上、最も消耗するのはトイレと温度環境です。ここを押さえるだけで体力と判断力が保たれます。
■⑥ 制度が動いていても“家庭の型”が最後の砦
災害対策本部は制度で回りますが、家庭は「型」で回ります。
例:
・情報担当(公式情報のみ確認)
・電源担当
・水食料担当
・避難判断担当
私は元消防職員として現場調整に関わりましたが、組織でも家庭でも、役割の明確化が混乱を減らします。
■⑦ 政治ニュースが大きい日こそやるべき3分行動
大きなニュースが出ると、不安が先に立ちます。しかし防災は、ニュースの規模より日々の積み重ねが勝ちます。
今日の3分:
・集合場所を書く
・避難所を地図に保存
・充電残量を確認
この小さな行動が、非常時の判断を軽くします。
■⑧ 一次情報確認の重要性
内閣名や人事に関する具体的な報道は、必ず官邸発表や官報などの一次情報で確認するのが安全です。不確かな政治情報に振り回されず、防災行動は冷静に積み上げることが重要です。
制度は法律で守られています。私たちの備えは、日常の習慣で守られます。
■まとめ|制度は止まらない、だから家庭の備えを止めない
内閣総辞職があっても、憲法や災害対策基本法の枠組みにより、災害対応は継続される設計です。ただし、具体的な政治情報は必ず一次情報で確認することが重要です。
結論:
政治の動きに左右されず、家庭の連絡・避難判断・72時間設計を整えておくことが最も確実な防災です。
元消防職員・防災士として被災地に関わってきましたが、最後に差が出るのは制度ではなく「家庭の準備の型」でした。大きなニュースの日ほど、足元の備えを静かに積み上げてください。
出典:内閣制度および災害対策基本法の趣旨(首相官邸・総務省公表資料等)

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