防災グッズは多ければ安心、とは限りません。被災地で実際に見てきたのは、「持ちすぎて管理できない人」と「必要最小限を回せる人」の差でした。大切なのは“量”ではなく“回せる構成”です。ここでは、車中避難・在宅避難の両方に対応できる必須防災リストを、現場目線で総まとめします。
■① 水・飲料の確保(最優先)
1人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば7日分を用意します。飲料用と生活用は分けて考えます。被災地では「飲み水はあるが生活水が足りない」ケースが多く見られました。給水情報は不確実なこともあるため、自宅と車内の両方に分散備蓄が基本です。
■② 非常食(加熱不要+簡易加熱の両立)
すぐ食べられる物(個包装パン、栄養補助食品、缶詰)と、カセットコンロなどで温められる物を組み合わせます。被災地では「温かい食事」が精神面の支えになっていました。味の偏りを防ぐため、日常食のローリングストックが有効です。
■③ 簡易トイレ(見落とされがちな最重要品)
断水時はトイレが最大の課題になります。携帯トイレ、凝固剤、消臭袋は必須です。被災地では「水はあるがトイレが使えない」状況が頻発しました。車中避難でも同様で、トイレ対策が避難継続の鍵になります。
■④ 照明(複数配置が原則)
ヘッドライト、LEDランタン、小型懐中電灯を複数用意します。停電下では“両手が空く”ライトが最強です。被災地では足元灯がないことで転倒事故が起きていました。夜間は想像以上に危険です。
■⑤ 情報収集手段(複線化)
防災ラジオ、スマホ、モバイルバッテリー、予備電池。情報は命に直結します。被災地では「電源がなく情報が止まる」ケースがありました。自治体公式情報と気象情報の確認ルートを事前に決めておくことが重要です。
■⑥ 衛生用品(感染症対策含む)
ウェットシート、アルコール、マスク、歯磨き用品、簡易洗面セット。避難生活が長引くほど衛生管理が重要になります。実際に多かった失敗は「食料はあるが衛生用品が足りない」ことでした。清潔を保つことは体力維持につながります。
■⑦ 防寒・暑さ対策(季節別対応)
毛布、寝袋、アルミシート、カイロ、夏は扇風機や冷却タオル。被災地では季節外れの寒暖差に苦しむ人が多くいました。特に夜間は気温が下がります。車中避難では断熱対策が生命線になります。
■⑧ 医療・応急手当セット
常備薬、絆創膏、包帯、解熱鎮痛剤、持病薬は余裕を持って確保します。被災地では薬不足が深刻でした。お薬手帳のコピーも忘れずに。軽微なケガでも放置しないことが長期避難のポイントです。
■まとめ|「回せる最小構成」を作ることが最強の備え
必須防災リストは、水・食料・トイレ・照明・情報・衛生・温度管理・医療の8分野が基本です。大切なのは、持つことより“管理できる量”にすること。日常生活とつなげたローリングストックが、無理なく続く備えになります。
結論:
防災は「全部そろえる」ことではなく、「命を守る8分野を回せる状態にしておく」ことが最優先です。
被災地で強かったのは、特別な装備を持つ人ではなく、日常延長で備えを回していた人でした。備えは特別な行為ではなく、生活の延長に置くことが、結果として一番強い防災になります。

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