【防災士が解説】被災者台帳とは?支援の漏れを防ぐために「誰が・何に困っているか」を可視化する仕組み

災害対応で一番怖いのは、支援が届かない人が出ることです。
避難所にいる人、車中泊の人、自宅避難の人、要配慮者。状況はバラバラです。

被災地派遣の現場でも、支援の漏れは「悪意」ではなく「把握できない」ことで起きていました。
その漏れを減らすために重要になるのが被災者台帳です。

この記事では、被災者台帳の意味と役割、住民側が知っておくと役に立つ視点を整理します。


■① 被災者台帳とは何か

被災者台帳とは、災害で被災した人の情報を整理し、支援や各種手続きにつなげるための基礎となる台帳です。
避難所の名簿だけでは拾えない、自宅避難者や車中泊避難者、要配慮者の状況も含めて把握し、支援の漏れを減らす役割があります。

「誰が」「どこで」「何に困っているか」を見える化する仕組みです。


■② なぜ被災者台帳が必要になるのか

大災害では、次の理由で支援が漏れます。

・避難場所が分散する
・避難者が移動する
・家族単位で状況が変わる
・要配慮者の困りごとが表に出にくい
・避難所に来ない人が多い

被災地派遣の現場でも、避難所の名簿だけでは全体像がつかめず、支援が後手になる場面がありました。
台帳は、支援の出発点になります。


■③ 台帳が整うと何が良くなるのか

被災者台帳が整うと、支援が「一律」から「必要に合わせた支援」に変わります。

・物資配布の偏りが減る
・要配慮者への優先支援ができる
・医療や介護につなぎやすい
・見守りが必要な人を把握できる
・二次被害を減らせる

支援は量ではなく、必要に合うかどうかで価値が決まります。


■④ 被災者台帳で把握したい情報のイメージ

台帳で重要なのは、細かい個人情報よりも支援につながる情報です。

・居場所(避難所/自宅/車中泊など)
・世帯構成(高齢者、乳幼児、障害など)
・健康状態(持病、服薬、医療機器)
・困りごと(トイレ、水、食事、移動)
・連絡手段

被災地派遣でも、困りごとが見えるほど支援が早くなりました。


■⑤ 避難所名簿だけだと起きる問題

避難所名簿だけでは、次の人が抜けやすいです。

・自宅避難者
・車中泊避難者
・親族宅へ避難した人
・要配慮者で避難所に来にくい人
・移動を繰り返す人

この抜けが、支援の漏れになります。
被災者台帳は、避難所の外にいる人を拾う仕組みとして重要です。


■⑥ 住民側が意識すると台帳が早く整う

台帳は行政だけで完璧に作れません。
住民側が次を意識すると、整うスピードが上がります。

・避難場所を周囲に伝える
・困っていることを具体に言う
・要配慮者の状況を早めに共有する
・連絡手段を確保する

被災地派遣の現場でも、情報が集まる地域ほど支援が早く回り始めました。


■⑦ 台帳が整うほど「命をつなぐ」支援ができる

災害直後の支援は命を守る支援ですが、時間が経つと命をつなぐ支援が重要になります。

・トイレ環境
・生活用水
・衛生
・睡眠
・暑さ寒さ
・見守り

ここは支援の優先順位を付けないと崩れます。
台帳があるほど、優先順位が付けやすくなります。


■⑧ 今日からできる最小行動

被災者台帳につながる備えとして、家庭でできることはこれです。

・家族の連絡ルールを決める
・緊急連絡先を紙でも持つ
・服薬情報をまとめる
・避難先候補を決める
・近所と「困ったら言う」を共有する

自分の状況を伝えられる家庭ほど、支援につながりやすいです。


■まとめ|被災者台帳は支援の漏れを減らし、必要な人に必要な支援を届ける基盤

被災者台帳は、被災した人の状況を整理し、「誰が・どこで・何に困っているか」を可視化して支援の漏れを減らすための基盤です。
避難所名簿だけでは拾えない自宅避難者や車中泊避難者、要配慮者を把握し、優先支援につなげる役割があります。
住民側も避難場所や困りごとを具体に伝えることで、台帳が早く整い、命をつなぐ支援が回りやすくなります。

結論:
被災者台帳は、避難所の外にいる人も含めて「支援が必要な人」を見える化し、支援の漏れを減らして命をつなぐための最重要の土台になる。
被災地派遣の現場で実感したのは、被災者の把握が進む地域ほど支援が整理され、混乱が早く収まるという現実です。
防災士として、台帳は支援の質を決める出発点だと考えています。

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