【防災士が解説】避難で困難だったことは何か?「暑さ・食料・飲料水」が人を追い詰める理由と備え

避難は、逃げられたら終わりではありません。
避難した瞬間から、生活が始まります。

被災地派遣の現場でも、避難が長引くほど「暑さ」「食料」「飲料水」がじわじわ効いて、人を追い詰めていくのを見ました。
命に直結するのに、軽視されやすい。
そして我慢が積み重なるほど、判断も体力も落ちます。

この記事では、避難で困難だったこととして多い「暑さ・食料・飲料水」を軸に、なぜ困るのか、どう備えるかを整理します。


■① 避難の困難は「最初の24時間」より「3日目以降」に出やすい

避難直後はアドレナリンが出て、意外と動けます。
困難が強く出るのは、疲労が溜まって生活が続くタイミングです。

・眠れない
・食べられない
・飲めない
・暑さで消耗する

被災地派遣でも、2〜3日目あたりから体調不良が増える場面がありました。
困難は時間とともに増えます。


■② 暑さは「体力を奪う」だけでなく「心を削る」

暑さは、体力だけでなく心を削ります。

・眠れない
・イライラする
・食欲が落ちる
・水分が進まない
・熱中症リスクが上がる

暑い避難所は、それだけで生活が崩れやすいです。
暑さは“環境災害”です。


■③ 食料の困りごとは「量」より「食べられるか」

食料があるのに困ることがあります。
それは「食べられない」状況です。

・口が乾いて食べにくい
・温かいものがなく食欲が落ちる
・子どもが食べない
・高齢者が噛めない
・アレルギーで食べられない

被災地派遣でも、配られた物があっても食べられず体力が落ちる人がいました。
食料は量だけでなく“食べやすさ”が重要です。


■④ 飲料水は「飲む水」だけでは足りない

飲料水が不足すると、生活が一気に崩れます。
しかも必要なのは飲む水だけではありません。

・口をゆすぐ
・手を拭く
・衛生を保つ
・体温調整をする

水がないと、食事も衛生も一気に落ちます。
避難生活の土台は水です。


■⑤ 困難を増やすのは「我慢の連鎖」

避難で困る人ほど、我慢が連鎖しています。

・トイレが不安で水分を控える
・水分を控えて熱中症が進む
・体調が悪くなって食べられない
・眠れず判断が落ちる

被災地派遣の現場でも、この連鎖は何度も見ました。
困難は単体ではなく、連鎖で悪化します。


■⑥ 解決の基本は「最小セット」を先に決める

避難の困難を減らすには、豪華な備えより“最小セット”が効きます。

・水(飲む+最低限の衛生)
・簡易トイレ(我慢を減らす)
・塩分(暑さでの消耗を止める)
・食べやすい非常食(ゼリー、栄養補助)
・暑さ対策(帽子、扇風機、冷却)

最小セットがあるだけで、困難の深さが変わります。


■⑦ 子ども・高齢者は「困難が表に出ない」ことがある

子どもは我慢を言葉にできないことがあります。
高齢者は我慢してしまうことがあります。

・水分を取れているか
・食べられているか
・暑さで消耗していないか
・眠れているか

見守りが入るほど、困難が深刻化しにくくなります。
避難は“生活”なので、気づきが命です。


■⑧ 今日からできる最小行動

・水を最低3日分の目安で確保する
・簡易トイレを準備して水分を控えない環境を作る
・食べやすい非常食を家族分だけ選ぶ
・暑さ対策の小物(帽子、冷却タオル、扇風機)を一つ用意する
・塩分補給の手段を決める

これだけで、避難の困難が軽くなります。


■まとめ|避難の困難は「暑さ・食料・飲料水」の崩れから始まり、我慢が連鎖すると深刻化する

避難で困難だったこととして多いのは、暑さ・食料・飲料水です。
暑さは睡眠と食欲を落とし、飲料水不足は衛生と体力を崩し、食料は量より食べやすさで差が出ます。
トイレ不安による水分控えなど、我慢が連鎖すると困難は急速に深刻化します。
最小セット(水・簡易トイレ・塩分・食べやすい非常食・暑さ対策)を先に揃えるほど、避難生活は崩れにくくなります。

結論:
避難の困難は「暑さ・食料・飲料水」が崩れた瞬間から始まり、我慢の連鎖を断つために最小セットを先に用意しておくほど、避難生活は壊れにくくなる。
被災地派遣の現場でも、豪華な装備より「水・トイレ・食べやすさ」がある人ほど体調を保ちやすいと実感しました。
防災士として、避難は“逃げる”より“持ちこたえる”設計が重要だと考えています。

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