【元消防職員・防災士が解説】オール電化住宅の“停電に強くなる家づくり”3つの核心ポイント

オール電化住宅は安全性が高い一方で、災害による停電が起きると生活がほぼ完全に停止する。
しかし、あらかじめ弱点を補強しておけば「電気が止まっても暮らせる家」に変えられる。
ここでは、停電に強くなるオール電化住宅の核心対策をまとめる。

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■① “エネルギー多様化”で電気依存から脱出する
オール電化住宅最大の弱点は「電気100%依存」。
ここを補強するだけで停電リスクは劇的に下がる。

【エネルギー多様化の例】
●カセットコンロを導入して「料理の代替手段」を確保
●カセットガス暖房で“冬の命を守る暖”を確保
●乾電池式・ソーラー式ライトで夜間を確保

【ポイント】
電気が止まっても“他のエネルギー”があれば生活は続けられる。
オール電化でも「ガスの代わり」は必ず持つべき。

■② 水とトイレの準備は“電気より先に困る部分”を補強する
停電と断水はセットで起きる可能性が高い。
電気だけではなく「水まわり」が止まると生活崩壊のスピードが一気に早くなる。

【やるべきこと】
●飲料水:1人1日3L × 3〜7日分
●生活用水:お風呂の残り湯は必ず残す
●エコキュートのタンク水の排水方法を確認
●非常用トイレセット(凝固剤+袋)は必須

【理由】
・停電 → 給湯器停止
・停電 → 上下水道のポンプが使えず断水
この2つは同時に起こりやすい。

■③ “冬の停電”に特化した防寒対策が命を守る
オール電化住宅で最も危険なのは冬の停電。
エアコン・床暖房・電気ストーブが全て停止すれば、室温は数時間で10℃前後まで下がる。

【冬の停電対策セット】
●電気不要の防寒装備(寝袋・ダウン・毛布)
●窓の断熱(プチプチ、プラ段ボード、厚手カーテン)
●カセットガスストーブ
●身体を温める食品(カップスープ、カロリー高めの食品)

【ポイント】
災害時に最も死亡リスクが高いのは“低体温”。
防寒対策は「電気より先に整えるべき命の備え」。

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■まとめ
オール電化住宅は災害時に弱い。しかし弱点は明確で、補強方法もシンプル。

●電力依存の代替手段(ガス・乾電池)
●水とトイレの備え
●冬の停電を乗り切る防寒対策

この3つを整えるだけで、停電に強い“防災型オール電化住宅”に生まれ変わる。

災害は避けられないが、備えは必ず未来の自分と家族を守ってくれる。

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