【元消防職員・防災士が解説】オール電化住宅で“停電中も料理できる家”にする方法

オール電化住宅は火を使わず安全性が高い一方、「料理=電気100%依存」になる。
停電すると IH も電子レンジも炊飯器も止まり、すぐに食事づくりができなくなる。
しかし、代替手段を準備しておけば“停電中でも温かい食事が作れる家”にできる。

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■① カセットコンロを必ず備える
オール電化住宅に最も必要なのは「火の代替手段」。
カセットコンロは災害時、最強レベルの調理器具になる。

【ポイント】
●電気が一切なくても利用できる
●乾電池不要
●火力が安定し、湯沸かしや加熱が簡単
●カセットボンベは長期保存が可能(目安は製造5〜7年)

【最低限の備え】
・カセットコンロ1台
・カセットガス12本(家族4人で3〜4日分)

■② カセットガス調理器で“冬の命を守る温食”を確保
災害時に温かい食べ物は命を守る要素になる。
特に冬の停電は体力消耗が激しく、温食は生存率を大きく左右する。

【おすすめの温食例】
●カップスープ
●インスタント味噌汁
●カップ麺
●レトルトカレー+湯煎
●アルファ米(お湯 or 水でも可)

【理由】
温かい食事は体温維持に直結する。
特に高齢者・子どもは低体温になりやすいため「湯を沸かせる手段」は絶対条件。

■③ 停電中でも役立つ“電気を使わない調理キット”を準備
電気がないだけで料理が止まるのはオール電化の致命的弱点。
以下のアイテムがあれば停電に強い家庭に変わる。

【揃えておくべきもの】
●メスティン(ご飯炊き・蒸し・煮込みが全部できる)
●耐熱ポリ袋(パッククッキング用)
●固形燃料 or アルコールストーブ(ボンベ切れ時のバックアップ)
●アウトドア用小鍋

【メリット】
・湯煎、蒸し調理が得意
・洗い物を減らせる
・燃料の節約につながる

■④ 冷蔵庫停止を前提にした“食材戦略”を持つ
停電で真っ先に困るのが冷蔵庫の停止。
オール電化住宅では「火が使えない=食材処理ができない」ため、腐敗が早い。

【対策】
●電気不要で食べられる食品を3〜7日分ストック
●開封後すぐ食べ切れる少量パッケージを優先
●冷凍食品は停電直後にクーラーボックスへ移動
●保冷剤は常に冷凍庫に常備

■⑤ “料理ができる”は生活の安定そのもの
停電中に料理ができる家庭は、災害時のストレスが劇的に減る。
料理ができない家庭は、精神面も体力も急速に消耗してしまう。

【料理ができると守れるもの】
・体力
・体温
・子どもの安心
・生活リズム
・避難判断の冷静さ

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■まとめ
オール電化住宅の弱点は「料理が電力依存」。
しかし、代替手段を整えれば停電は怖くない。

●カセットコンロ
●カセットガス
●アウトドア調理器具
●電気不要の非常食

この4点を揃えておくことで、停電時も温かい食事が作れる家になる。

家族の命を守るために、オール電化でも“火”の備えだけは欠かさないことが大切だ。

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