災害対応の現場では、エアーテントを導入する自治体が増えている。
地震・豪雨などで避難所が一時的に飽和するとき、
“すぐに使える個室・救護スペース”を作れる装備として評価が高い。
自治体導入の背景を、防災の視点で整理する。
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■① 避難所の“過密”対策として最適
災害初動では、避難者が短時間で一気に押し寄せる。
【現場で起きる課題】
・体育館がすぐ満員
・高齢者・要配慮者のスペース不足
・発熱者の隔離が間に合わない
・プライバシーが極端に不足
エアーテントは、これらを“即座に解決”できる。
・設営5〜10分
・1張で1〜4名の個室化
・仮設の医療ブースを即時展開
初期混乱のコントロールに非常に有効だ。
■② 要配慮者の個別支援に役立つ
避難所の質を左右するのは「要配慮者のケア」。
・子どもの夜泣き
・介護が必要な高齢者
・障がいのある方
・女性の更衣・授乳スペース
体育館に雑魚寝では対応が難しいが、
エアーテントがあれば“すぐに個室化”できる。
自治体が「人権配慮の防災」へ舵を切っている背景とも一致する。
■③ 発熱者・感染症対策の“専用区画”を作れる
感染症が問題になる避難所では、
“隔離スペースの不足”が想像以上に大きなリスクになる。
エアーテントは以下に向いている。
・発熱者の待機場所
・医療相談ブース
・簡易診察室
・消毒・検体採取ブース
密閉性が高く、一般の布テントより区画しやすいため、
自治体の危機管理部局が積極的に採用している。
■④ 地域行事(平時)でも活用できる
自治体が導入を進める決定的な理由がこれ。
【平時の活用例】
・防災訓練の救護所
・マラソン大会の救護スペース
・地域イベントの休憩所
・熱中症対策のクールスポット
“平時にも使える防災備蓄”は、
予算消化の観点からも非常に通りやすく、導入が進んでいる。
■⑤ 保管コストが小さく、扱いやすい
従来の金属フレーム式テントは、
・重い
・錆びる
・組み立てに時間がかかる
・保管スペースが必要
という弱点があった。
エアーテントは、
・空気を抜けば小型化
・軽量
・備蓄倉庫に多く積める
・訓練でも扱いやすい
自治体にとって“維持管理がしやすい防災備蓄”として理想的だ。
■⑥ 災害医療チーム(DMATなど)との連携にも強い
実際の災害では、DMAT・民間医療チームなどが一斉に現場入りする。
エアーテントはそのまま医療ブースになるため、
「地域+医療」の協働がスムーズになる。
・トリアージ場所
・救護所
・簡易処置室
・薬剤受け渡しブース
自治体の防災計画でも採用が増えている。
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■まとめ
エアーテントを導入する自治体が増えているのは、
災害時の“即応力”を高めるため。
【自治体導入が進む理由】
・避難所の過密対策に強い
・要配慮者の個別支援に向いている
・感染症対策として優秀
・平時のイベントにも使える
・保管が容易で備蓄しやすい
・医療チームとの連携が向上
エアーテントは、地域防災力を底上げする“即戦力装備”。
避難所の課題が年々可視化されている中で、
自治体が積極的に導入するのは自然な流れだと言える。

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