大規模災害が発生すると、最初の数日間は食料供給が滞りやすい。
物流が止まり、スーパー・飲食店・コンビニが営業できず、
避難所の炊き出し準備も追いつかない。
その“空白の時間”を埋められる存在として、
キッチンカーが全国で注目されている。
■物流が止まると地域は「食の空白」に陥る
地震や豪雨災害では、次のような状況が起きる。
・道路陥没で配送トラックが入れない
・店舗が停電して営業停止
・工場が被災して生産ストップ
・避難所に職員が不足し調理できない
特に災害当日〜48時間は「食料があるのに届けられない」ケースが多い。
キッチンカーはこの“空白時間”に即応し、
被災地に直接入れる点が非常に大きい。
■キッチンカーは単独で調理を完結できる
一般の炊き出しは、次のような条件が揃うまで時間がかかる。
・水道の復旧
・ガスの安全確認
・ボランティアの手配
・避難所厨房の片付け
・食材の確保
だがキッチンカーは
「車内にすべての調理環境が初めから揃っている」
ため、準備の手間がほぼない。
・LPガスで調理
・給水タンクで最低限の水が確保
・発電機で電気も確保
・食材を積んでそのまま出動
固定施設がダウンしても稼働できる強みがある。
■人員不足の避難所をサポートできる
災害時、避難所には次のような問題が出やすい。
・炊き出し要員が不足
・高齢者や子ども向けの特別食が用意できない
・ボランティアの調整が追いつかない
・調理設備が破損して使えない
キッチンカーは「プロの料理人」が調理するため、
味の安定性や衛生管理の点でも安心感がある。
避難所職員の負担軽減にもつながる。
■避難所外の“取り残されがちな人”に届けられる
キッチンカーは移動力を活かし、次の地域にも支援可能。
・山間部の小規模避難所
・自宅避難の世帯
・高齢者が多い地域
・交通が不便なエリア
“避難所に来られる人だけが支援を受けられる”という偏りを防ぎ、
地域全体への支援を届けることができる。
■初動支援としてのキッチンカーの価値
災害直後は、
「温かい食事があるかどうか」 が
心理的な安定に大きく影響する。
キッチンカーの初動支援は、
・メンタルケア
・子どもの安心感
・高齢者の体調維持
・避難所の秩序維持
こうした“見えない効果”にも貢献している。
■まとめ
キッチンカーは災害時に
・食料供給の空白を埋める
・調理を単独で完結できる
・避難所の人員不足を補える
・取り残されがちな世帯へ移動支援できる
という非常に強力な初動支援の手段になる。
地域防災計画に「キッチンカー協力」を組み込むことで、
災害初期の支援スピードを大きく高められる。

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