災害が発生すると、被災地にはさまざまな「移動支援カー」が投入される。
これらは、ライフラインが止まった地域で必要な“機能”を補う重要な存在だ。
ここでは、災害時に活躍する主要な支援カーをまとめて紹介する。
■① トイレカー（移動式トイレ車）
上下水道が止まった地域では、最もニーズが高い支援カー。
・水洗式の車もある
・バキューム機能で汚水を処理
・衛生環境の悪化を防ぐ
災害初期の混乱をおさえる“最前線のカー”だ。
■② シャワーカー・入浴車
長期避難で深刻になる“衛生問題”を解消する。
・高齢者の入浴介助も可能
・温水を提供できる車両もある
・大規模避難所で活躍
感染症対策の面でも非常に重要な設備。
■③ キッチンカー（炊き出し車）
被災地に温かい食事を届ける“心の支え”。
・災害用の大型キッチンカーは調理能力が高い
・アレルギー対応の食事を作れる場合も
・炊き出し支援の中心になる
食事の力は避難生活を大きく支える。
■④ ATMカー（移動ATM）
キャッシュレス決済が使えない状況で力を発揮。
・現金が必要な高齢者にとって重要
・自治体の手続き時にも役立つ
・通信環境が途絶えた場合は運用に制限が出る
災害時は“現金の必要性”が急に高まる。
■⑤ 電源車（発電車）
停電した地域で“電力”を供給できる車。
・避難所に電気を供給
・医療機器の電源確保
・夜間照明の提供
災害時の電力は命を守るライフライン。
■⑥ 衛星通信車・移動基地局車
通信が途絶えた地域に“つながる環境”を届ける。
・携帯基地局を展開
・衛星通信で広域をカバー
・災害対策本部の立ち上げにも必須
通信は災害対応そのものを支える重要基盤。
■⑦ 給水車
断水地域に安全な飲料水を供給する車。
・タンク容量は1,000～4,000L級
・水質管理が徹底されている
・避難所や地域に順次巡回
飲料水・生活用水の確保に欠かせない。
■⑧ 移動図書館カー・子ども支援カー
長期避難での“心のケア”に効果的。
・子どものストレス軽減
・学習支援
・地域コミュニティ維持に貢献
避難生活が長期化するほど必要性が増す支援。
■⑨ 移動医療カー（医療・歯科・検診車）
医療機関が被災した地域で医療サービスを提供。
・診察・処方が可能
・歯科医療車も存在
・基礎疾患のある人を支える
避難所での体調悪化を防ぐ重要な存在。
■⑩ トイレカー＋キッチンカー＋入浴車の“複合支援”
大規模災害時は、複数のカーをセットで運用することで、
・衛生
・食事
・医療
・電力
・通信
を総合的に支える体制が整う。
「車両による防災支援」は、被災地の復旧初動を大きく助ける。
■まとめ
災害時に活躍する支援カーは、どれも目的が明確で“その地域の困りごと”に応じて派遣される。
・トイレ
・入浴
・食事
・電力
・通信
・医療
・心のケア
これらを組み合わせることで、被災地の生活機能は大きく回復する。
ただし万能ではないため、家庭の備えや地域の自助・共助と組み合わせてこそ、本当の防災力が生まれる。
被災地を支える支援カーの仕組みを知り、日頃の備えに活かしてほしい。
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