日本は災害大国。
その中で、米農家・兼業農家は「自分の家族を守れるだけでなく、地域全体を支えられる存在」だと言われる。
ここでは、防災の視点から“農家が地域の要となる理由”を解説する。
■① 食料供給基地としての役割が大きい
災害時、最も困るのが「食料の不足」。
物流が止まり、スーパーから商品が消えるのはよくある光景。
米農家・兼業農家は、
● 主食を大量に備蓄
● 地域に配れる余力がある
● 精米・加工が可能
● 野菜や副菜を作れる家庭も多い
という強みがあり、地域の食料安定に直結する。
“地域の最後の砦”と言えるほどの存在感を持っている。
■② 発電・水源などの“ライフライン補完”役になれる
近年多くの農家が導入しているのが、
● ソーラーパネル
● 発電機
● 自家用井戸・用水路
● 雨水利用システム
こうした設備は、災害時に
・スマホ充電
・炊き出しの熱源
・簡易ポンプによる給水
にも使えるため、地域コミュニティを支える“ライフライン補完基地”になる。
■③ トラクター・軽トラなどが“災害対応の足”になる
農家には、災害で活躍する車両が多い。
● 軽トラ(物資運搬、浸水地の移動)
● トラクター(倒木除去・雪害対応)
● 大型の農機(広域作業が可能)
災害で道路が塞がった時、これらは行政より先に動けることもある。
地域の初動対応に非常に強い存在だ。
■④ 農家コミュニティは支援の“ハブ”になる
農村部はコミュニティ力が強い。
● 田植え・稲刈りの共同作業
● 水利の管理
● 集落での助け合い文化
災害時、
・情報共有
・物資交換
・避難支援
・見守り
が自然発生的に行われやすい。
都市部では得がたい「互助のネットワーク」が農村にはもともと存在する。
■⑤ 農家は“防災教育の中心”にもなれる
米づくりは、自然と向き合う作業そのもの。
そのため子どもや地域住民に、
● 気象の読み方
● 水管理の重要性
● 生きるための食の知識
● 土地の特徴
などを教えることができる。
防災教育は「自然を知ること」から始まるため、農家の存在は極めて大きい。
■⑥ 都市部との“食と支援の連携”が進む
近年は、
● 農産物の直送
● フードロス削減
● 災害時の相互支援協定
● キッチンカー・トイレカー連携
● ボランティアの受け入れ基地化
など、都市部と農村が連携するケースが増えている。
米農家・兼業農家は、その中心に立ちやすい。
■⑦ 農家は“復旧の起点”になることが多い
被災地では、復旧の早さに差が出る。
農家の地域が早いと言われる理由は、
● 生活スキルが高い
● 道具が揃っている
● 地域で協力し合える
● 食料・水・エネルギーを自力で確保できる
という“生活再起動力”が備わっているから。
行政支援を待たずに生活再建できる力は、災害後の大きな強みになる。
■まとめ|米農家・兼業農家は“災害に強い地域づくり”の中心になる
農家の強さは個人だけでなく、地域の防災力を高める。
● 食料備蓄
● 水・電力の確保
● 車両・農機の活用
● コミュニティの強さ
● 防災教育
● 復旧力の高さ
米農家・兼業農家は、災害時に「地域を支える、動かす存在」になり得る。
今後、防災の観点でも農家と都市部がつながることは、より重要になっていく。
“農の力”は、災害を乗り越えるための大きな支えになる。

コメント