【元消防職員・防災士が解説】米農家とドローン農薬散布|災害が増える時代に“持っておく価値”が高い理由

災害が多い日本では、米農家の作業も年々リスクが増えている。
大雨、猛暑、台風、長雨──これらはすべて、農薬散布のタイミングを狂わせ、収量に直結する大問題だ。

そんな中で、ドローン農薬散布は“防災の視点でも価値が高い”装備になりつつある。
ここでは、災害が増える時代にドローンが米農家を守る理由を解説する。


■① 台風・豪雨の後でも“最短時間で散布が再開できる”

これまでの散布作業は、災害後の倒木やぬかるみで作業車が入れず、
「散布したいのに田んぼに行けない」
という状況が普通に発生していた。

しかしドローンなら、空からアプローチできる。

● 道路が通れなくても散布できる
● 水田の状態が悪くても散布が可能
● 被災後の“復旧最速化”に直結

災害後は病害虫が一気に発生しやすく、ドローンはその初動対応に強い。


■② 農家自身が被災しても“少人数で作業が進む”

農家本人や家族が被災して負傷・疲労していると、従来型の散布は厳しい。
だがドローンは、少人数でも短時間で作業が完了する。

● 1人で散布可能
● 重労働が激減
● 高齢農家でも作業の継続が可能

災害直後の体力が奪われている状況ほど、ドローンの省力性が役に立つ。


■③ 人手不足の地域ほど“災害後に復旧差が出る”

田舎地域ほど、災害後は人手が足りない。
道路片付け・家の修繕・地域活動…休む暇がない。

そんな中でも、農薬散布のタイミングだけは待ってくれない。

ドローンがあるだけで、

● 作業時間が10分の1
● 地域の生産性が落ちにくい
● 他の農家の散布も助けられる

農家同士の助け合いが、防災力そのものを高める。


■④ “暑さ災害”に圧倒的に強い

近年は、農業現場での熱中症リスクが急上昇している。
散布作業は炎天下での重労働で、特に高齢農家には危険。

ドローン散布なら、

● 炎天下で歩き回らない
● 涼しい時間帯に短時間で完了
● 高温での過労・事故を防げる

災害級の猛暑の年でも、作業の安全性が高まる。


■⑤ 地域の“災害対応チーム”として機能する

ドローンを持つ農家は、地域の防災においても重要な存在になる。
災害時には、

● 上空から被害状況の確認
● 孤立地域の偵察
● 水田・用水路の破損チェック

など、農業の枠を超えて役に立つ。

「農家 × ドローン」は、そのまま“地域インフラ”になる時代が来ている。


■⑥ 停電・断水後の“農作業の停止”を最小限にできる

停電や断水は、農作業全体に大きな影響を与える。
特に停電時はドローンの充電が課題だが、発電機やソーラーがあればすぐ解決できる。

● ソーラーパネル
● 可搬式発電機
● 大容量バッテリー

これらをセットで備えておけば、災害後でも散布作業を継続できる。


■まとめ|災害に強い“未来型農家”の中心はドローンになる

ドローンは単なる作業時短ツールではない。
災害が増える日本では、農家の収量・生活・地域を守るための“防災装備”になりつつある。

● 被災後でも最速で散布できる
● 人手がなくても作業が進む
● 熱中症リスクが激減
● 地域の防災活動にも使える
● 停電時も発電機で対応可能

これからの米農家は、「ドローン × 防災」の組み合わせが標準になる。
災害の中でも作業を止めないために、ドローンの活用はますます重要性を増していく。

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