【防災士が解説】新社会人・新大学生の一人暮らし防災スターターセット|1万円・3万円・5万円別の最適解

一人暮らしは、災害時に「誰かが助けてくれる前提」が薄くなります。停電、断水、地震直後の余震、体調不良。全部を自分で判断し、行動しなければいけません。だからこそ、防災は“高価な装備”より「最低限を先に揃えて迷いを減らす」方が強いです。この記事では、1万円・3万円・5万円で現実的に揃えられるスターターセットを、優先順位つきで整理します。


■① 一人暮らし防災の最優先は「72時間の生活維持」

一人暮らしの備えは、避難所に行く前に自宅で踏ん張れるかが分かれ目です。
・停電でも明かりがある
・断水でも最低限の水がある
・食べられる物がある
・トイレで詰まない
この4つが揃うと、災害直後の判断が一気に軽くなります。


■② 1万円セット|最小で“詰み”を防ぐ(最優先)

1万円でまず揃えるのは「停電・トイレ・水」です。
・ヘッドライト(両手が空く)
・予備電池
・モバイルバッテリー(小さめでもOK)
・簡易トイレ(少量でも良いので確保)
・飲料水(まずは数本でも)
・カセットコンロ用の簡単な着火手段(ライター等)
一人暮らしは暗いと危険が増えます。まず“明かり”が最短で効きます。


■③ 3万円セット|生活の質と安全が一段上がる(標準)

3万円では「食」「衛生」「寒さ」を足して、72時間の形を作ります。
・ヘッドライト+予備電池(家と持ち出し用の2系統が理想)
・モバイルバッテリー(容量を増やす)
・簡易トイレ(数日分の目安を確保)
・飲料水(生活用の水も意識)
・レトルト/缶詰/即席スープ(主食+たんぱく+汁物)
・ウェットティッシュ/アルコール系シート
・防寒(アルミシート、手袋、厚手靴下など)
このセットがあると「避難所に行くか迷う」場面で、落ち着いて判断できます。


■④ 5万円セット|停電・断水に強い“自宅避難型”になる(強化)

5万円では「調理」「情報」「小さなケガ」を強化して、在宅の耐災害力を上げます。
・カセットコンロ+ガスボンベ(調理と湯づくりが可能になる)
・簡易トイレ(数日分をしっかり)
・飲料水と生活用水の確保を増やす
・簡易救急(絆創膏、消毒、常備薬の予備)
・ラジオ(情報が取れる手段を確保)
・作業用手袋(ガラス片や片付け対策)
「温かいものを作れる」だけで、体温もメンタルも全然違います。


■⑤ いくらの予算でも共通の“買ってはいけない失敗”を避ける

一人暮らしの防災でよくある失敗は次の通りです。
・非常食だけ買って水が無い
・スマホ充電はあるのに明かりが無い
・トイレが無くて詰む
・温め前提の食品ばかりで食べられない
優先順位は「明かり→トイレ→水→食」です。これが崩れると、一気に不安が増えます。


■⑥ 部屋の中の耐震は“買い物より先に”効く

一人暮らしは部屋が狭い分、家具が倒れると避難動線が塞がりやすいです。
・寝る場所の上に落下物を作らない
・玄関までの動線を空ける
・背の高い棚は固定する
装備を買う前に、配置を変えるだけで被害が減ることがあります。


■⑦ 防災士から見た「実際に多かった失敗」

一人暮らしで多いのは、準備の方向性がズレることです。
・不安で装備を買い足すが、トイレだけ無い
・非常食を買って満足し、期限切れで使えない
・停電時に暗くて転倒してケガをする
“最小で詰まないセット”を先に作ると、買い足しの迷いが減ります。


■⑧ 被災地経験で感じた「一人は“判断の負担”が一番重い」

被災地派遣の現場では、一人暮らしの人ほど「何を優先すべきか」で迷い、疲れていく場面を多く見ました。LOとして生活状況の聞き取りをすると、備蓄の有無よりも「トイレがある」「明かりがある」「水がある」だけで、表情が落ち着くことがありました。元消防職員としても、災害直後の混乱は“準備の不足”より“判断の重さ”が原因になることがあると実感しています。一人暮らし防災は、命を守ると同時に、判断を軽くする設計が重要です。


■まとめ|一人暮らし防災は「明かり・トイレ・水」で勝てる

新社会人・新大学生の一人暮らしは、災害時の判断と行動がすべて自分に乗ります。だからこそ、最初に揃えるべきは明かり・トイレ・水。1万円で“詰み”を防ぎ、3万円で72時間の形を作り、5万円で在宅避難の耐災害力を上げる。この順番なら、無駄なく強くなれます。

結論:
一人暮らしの防災は「明かり・トイレ・水」を先に揃えれば、72時間の不安は大きく減る。最小セットで判断を軽くすることが最強です。
防災士として、備えは“量”より“迷わず使える形”が効くと感じます。まずは小さく揃えて、必要に応じて淡々と強化していきましょう。

出典:https://www.bousai.go.jp/

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