米農家の営みは、単なる農業にとどまらない。
田んぼ・水路・ため池は、地域の水害リスクと直結しており、米農家は“地域防災の最前線”に立つ存在でもある。
ここでは、米農家×防災をテーマに、地域を守るための視点をまとめる。
■① 田んぼは“天然の遊水地”として働く
田んぼは水を貯められる特性があり、豪雨時には洪水を遅らせる役割を持つ。
● 大雨時に水を一時的に溜める
● 下流への流量を抑える
● 道路・住宅への溢水を防ぐ
農地が健全に維持されていることは、そのまま防災力の維持につながる。
■② 水路の維持管理は“地域の命綱”
水路が詰まれば、一気に住宅地へ水が流れ込む。
米農家が定期的に清掃・点検してくれているからこそ、地域が守られている。
● 落ち葉・泥の堆積
● 草木の繁茂
● 排水の逆流
● 豪雨時の越水リスク
農業と防災は切っても切れない関係にある。
■③ ため池の“見守り”は防災上の重要任務
老朽化したため池は、豪雨・地震で決壊するリスクがある。
ため池のある地域ほど、農家の目が防災になる。
● 亀裂の有無
● 水位の確認
● 土砂の流入状況
● 大雨時の排水状況
異常を見つけるのは、現場を知る米農家が最も早い。
■④ ドローン活用で“農地の防災力”がさらに強くなる
米農家のドローン活用は、農作業だけでなく地域全体の防災につながる。
● 水路・ため池の点検
● 豪雨後の被害調査
● 土砂災害危険箇所の確認
● 早期復旧の情報共有
高齢化が進む農村地域では、ドローンは共同資源としても有効だ。
■⑤ 農地が失われると“災害リスクが一気に上がる”
耕作放棄地が増えると、管理されない土地が増え、災害リスクが跳ね上がる。
● 水路の詰まりが放置される
● 草木が繁茂し土砂崩れが起きやすくなる
● 不法投棄の増加
● 害獣被害の拡大
農地の維持は防災そのもの。
■⑥ 兼業農家でも“地域の守り手”になれる
兼業で農業を続けることにも大きな防災意義がある。
● 少しでも耕作が続けば地域の水管理が保たれる
● IT・ドローンを取り入れやすい
● 災害時の情報共有役になれる
農業の継続は、地域が災害に強くなることに直結する。
■まとめ|米農家は“地域防災のキープレイヤー”
米農家の仕事は、そのまま地域の防災につながる。
● 田んぼ=天然の遊水地
● 水路管理=浸水対策
● ため池点検=決壊リスクの低減
● ドローン=早期発見と復旧の加速
● 耕作継続=放棄地リスクの抑制
気候変動で豪雨・台風が激甚化する今、米農家の存在はますます重要になっている。
「農業=食を守る」だけでなく、
「農業=地域を守る防災インフラ」。
それが、これからの時代の米農家の価値である。

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